斉藤祐也

斉藤 祐也（さいとう ゆうや）

1977年4月28日、東京都で生まれた斉藤祐也氏は、日本のラグビー界においてフォワードとして異彩を放った元プロラグビー選手です。主にナンバーエイト（No8）やフランカー（FL）といったポジションでプレーし、日本代表キャップを14獲得しました。

キャリア初期から大学時代

斉藤氏がラグビーを始めたのは東京高校に入学してからです。高校1年生で楕円球を追い始め、わずか2年生でその才能が認められ、高校日本代表に選出されウェールズへの遠征に参加しました。同年、全国高校選手権大会（通称：花園）に初出場。ポジションはナンバーエイトでした。3年次には残念ながら花園への出場は叶いませんでしたが、再び高校日本代表に選ばれ、イングランド遠征を経験しています。

1996年、ラグビーの名門である明治大学に進学。大学ラグビー部では、1年次から異例の正ロック（LO）として公式戦に出場する機会を得ました。そして、1996年度の全国大学選手権でチームの優勝に貢献しています。2年次からは本来のポジションであるナンバーエイトに転向し、不動の地位を確立。最終学年となる4年次にはチームのキャプテンを務め、リーダーシップを発揮しました。

社会人、そしてプロ契約へ

大学卒業後、当初は海外でのプレーも視野に入れていた斉藤氏でしたが、2000年に国内の強豪チームであるサントリーに入社します。サントリー時代には、2000年度の日本選手権優勝、2001年度の全国社会人大会優勝、そして再び2001年度の日本選手権優勝など、チームの主要タイトル獲得に大きく貢献しました。これらの功績は、彼の国内における選手としての評価を確固たるものにしました。

国際舞台では、2001年に日本代表として台湾との試合に出場し、念願の初キャップを獲得しました。これは、彼のキャリアにおける重要な節目となりました。

そして2002年、斉藤氏はフランスの1部リーグに所属するUSコロミエへの移籍を決断します。この移籍は、日本人ラグビー選手にとって歴史的な出来事でした。フォワードのポジションで日本人として初めてプロ契約を結んだ選手となったのです。これは、当時の日本のラグビー界では非常に珍しいケースであり、彼の国際的な評価の高さを物語っています。

国内復帰と引退

フランスでの挑戦の後、2003-2004シーズンには日本の神戸製鋼とプロ契約を結び、国内トップリーグに復帰しました。復帰後もその実力を遺憾なく発揮し、トップリーグ設立初年度の神戸製鋼の優勝に貢献しています。その後、2005-2006シーズンを最後に一度、現役からの引退を表明しました。

しかし、ラグビーへの情熱は尽きませんでした。2007年、斉藤氏は豊田自動織機に加入し、現役選手としてグラウンドに戻ってきました。復帰後もチームの中心選手として活躍し、2009年には豊田自動織機のトップリーグ昇格に貢献するなど、再びチームを牽引しました。そして、2011-2012シーズンをもって、選手としてのキャリアに終止符を打ちました。

選手以外の活動

斉藤氏はラグビー選手としてだけでなく、その身体能力を活かして「スポーツマンNo.1決定戦」にも出場しています。2004年に初出場した際には、MONSTER BOXで16段、SPIN OFFで準優勝、そしてTHE GALLON THROWでは2001年に大畑氏が記録した5m75cmに並び、アメフトの河口正史氏と共にNo.1に輝くなど、驚異的なパフォーマンスを見せ、総合6位入賞を果たしました。2007年のパワーバトルNo.1決定戦にも出場し、SPIN OFFでは優勝経験者を破る活躍を見せるなど、ここでもその高い身体能力を発揮しました。

また、2019年にはTBSテレビで放送されたテレビドラマ「ノーサイド・ゲーム」に出演し、俳優としても活動の幅を広げました。

引退後のキャリアとプライベート

現役引退後、斉藤氏は実業界に転身しました。2013年には株式会社Ychanteと株式会社コーディネーション・アカデミーを設立するなど、ビジネスパーソンとしてのキャリアをスタートさせています。

さらに、近年は新たな活動としてYouTubeチャンネル「ラグビー元日本代表 斉藤祐也のラグビーチャンネル」を開設し、YouTuberとしても積極的に情報発信を行っています。

プライベートでは、2009年4月に元水泳選手の岩崎恭子氏との結婚を発表。2011年3月28日には長女が誕生しましたが、2018年11月に離婚しています。また、マツダに所属するラグビー選手の斉藤健也氏は彼の実弟にあたります。

選手として、そしてビジネスやメディアの世界でも活躍を続ける斉藤祐也氏は、日本のラグビー界のみならず、多方面で注目を集める存在です。

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