斐太遺跡群

斐太遺跡群の紹介

新潟県妙高市と上越市に位置する斐太遺跡群は、古墳時代初期の集合住宅跡であり、地域史において重要な役割を果たしています。この遺跡は矢代川沿岸の丘陵に広がっており、71棟の竪穴建物とそれを囲む環濠が発見されています。1977年に国の史跡に指定され、2005年には追加指定も行われました。指定名称には「斐太遺跡群 吹上遺跡、斐太遺跡、釜蓋遺跡」が含まれています。

地形と遺跡の位置

斐太遺跡群は、妙高山から延びる山脈の一部で、周囲は頸城平野に接しています。妙高市の近隣には比高40メートル前後の低い丘陵が存在し、斐太遺跡はその中の平坦な尾根部に形成された集落跡です。建物の跡や環濠は時間とともに埋まらず、凹みを残しているため、1955年から1958年まで東京大学によって詳細な調査が行われ、その結果が文献に残されています。

遺構の特徴

遺跡は丘陵の三つの地区に分かれています。北側の「百両山」には、47の凹みが発見されており、その大部分は竪穴建物の跡であると考えられています。これらの凹みは直径が8〜10メートルのものから、小さなものは2メートル前後、深さは0.4〜0.8メートルほどに及びます。特に42〜43メートルの高低差の範囲で集まっていることが特徴的です。

さらに、環濠は竪穴建物群の東西両側にあり、南北に伸びています。東側の環濠は30メートルから32メートルの高度で100メートル続いており、西側は38メートルから40メートルの高さで120メートルにわたります。これにより、遺跡の中心部に竪穴建物が配置され、周囲には環濠が設けられた配置が見受けられます。

上ノ平地区と矢代山地区

「百両山」と谷を挟んで南には、「上ノ平地区」が位置し、ここには現在13の凹みがありますが、1930年には調査者の斎藤秀平によって30の凹みが報告されています。この地区は、環濠が尾根の東西に浅く残されており、南側ではこれらの環濠が連結されているため、一つの区域を形成しています。

さらに、その南に位置する「矢代山地区」には、現在11の凹みがありますが、斎藤秀平は19の凹みを把握していました。この地区でも、尾根の平らな部分から傾斜に移る端に環濠が掘られており、他の地区と同様の構造が見受けられます。

結論

斐太遺跡群は新潟県内で非常に重要な文化遺産であり、古代の人々の暮らしや集落の構造を理解する上で貴重な資料を提供しています。また、研究が進むにつれ、当時の人々の生活や社会のあり方について新たな知見が得られることが期待されます。

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