斗六庁

斗六庁（とろくちょう）

斗六庁は、日本統治時代の台湾に設置された地方行政区画の一つです。1901年（明治34年）に台中県から分離して成立し、1909年（明治42年）に廃止されるまでの約8年間存在しました。この短い期間の中で、台湾の地方行政制度の変遷を物語る重要な役割を果たしました。

地理

斗六庁は、廃止時点において以下の7つの支庁と直轄区域を管轄していました。

崁頭厝支庁（かんとうそしちょう）
西螺支庁（せいらしちょう）
北港支庁（ほっこうしちょう）
土庫支庁（とこしちょう）
崙背支庁（ろんぱいしちょう）
下湖口支庁（かこうこしちょう）
林圯埔支庁（りんきほしちょう）

これらの支庁は、それぞれが地域内の行政を担い、斗六庁全体の行政運営を支えていました。管轄地域は、現在の台湾中西部に位置しており、農業が盛んな地域でした。

歴史

沿革

斗六庁の歴史は、以下の通りです。

1901年（明治34年）11月：台中県から分離し、斗六庁が成立しました。これにより、台湾の地方行政区分の再編が進められました。
1902年（明治35年）4月：林圯埔支庁の労水坑派出所が独立し、労水坑支庁となりました。同年11月には、西螺堡に属する公溝庄、水尾庄、新厝庄、牛埔庄の4庄が彰化庁に移管されました。これは、地方行政区画の微調整が頻繁に行われていたことを示しています。
1905年（明治38年）3月：労水坑支庁と他里霧支庁が廃止され、林圯埔支庁、崁頭厝支庁、土庫支庁に編入されました。また、水井庄が北港支庁から下口湖支庁へ、林圯埔支庁の高厝林仔頭庄刈菜園が桶頭庄へと所属が変更されました。これらの変更は、より効率的な行政運営を目的としたものでした。
1907年（明治40年）：巒大社の所属が南投庁に変更されました。これは、地域の行政区分がより複雑に変化していたことを示しています。
1909年（明治42年）10月：斗六庁が廃止され、管轄区域は南投庁と嘉義庁に分割編入されました。林圯埔支庁の沙連堡と鯉魚頭堡は南投庁へ、それ以外の区域は嘉義庁へとそれぞれ編入されました。この廃止は、行政区分の再編と、より大きな行政単位への統合を意味していました。

行政

斗六庁の歴代庁長は以下の通りです。

荒賀直順：1901年11月 - 1908年2月
山口利文：1908年2月 - 1909年9月

これらの庁長は、斗六庁の行政運営を担い、地方行政の円滑化に尽力しました。彼らの在任期間は、斗六庁の歴史そのものであり、地方行政の歴史を知る上で重要な情報です。

斗六庁は短い期間しか存在しませんでしたが、その歴史は台湾の行政区分の変遷を理解する上で不可欠です。地方行政制度の変遷や地域社会の変容を研究する上で、重要な手がかりを提供しています。

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