新しい神様

『新しい神様』は、1999年に製作された日本のドキュメンタリー映画です。監督・脚本・撮影を務めたのは土屋豊。この作品は、右翼パンクバンド「維新赤誠塾」のボーカリストである雨宮処凛と、同じくバンドメンバーの伊藤秀人、そして左翼思想を持つ土屋豊という、異なる思想を持つ3人の交流を軸に展開されます。

土屋豊は、反天皇思想を持ちつつも社会の閉塞感に共通の認識を持っていたことから、雨宮処凛にカメラを渡し、彼女自身の生活を撮影させます。雨宮は、自身の視点から、北朝鮮での元赤軍派よど号グループとの出会いや、右翼団体での活動における心情を赤裸々に語ります。

幼少期からいじめに遭い、自身の存在意義を見出せずに自殺未遂を繰り返していた雨宮は、天皇に拠り所を求めていました。しかし、伊藤や土屋との議論、そしてカメラへの独白を通じて、自身の思想や感情と向き合い、反発しながらも自立への道を模索していきます。

この映画は、単なるドキュメンタリーに留まらず、個人の内面的な葛藤や成長を深く描いています。雨宮処凛という一人の人間の軌跡を通して、社会の矛盾や個人のアイデンティティといった普遍的なテーマを提起しています。

映画の制作費はごくわずかでしたが、配給宣伝に多くの費用が投じられた結果、興行的には成功とは言えなかったようです。しかし、その内容は高く評価され、山形国際ドキュメンタリー映画祭では国際批評家連盟賞特別メンションを受賞、ベルリン国際映画祭にも出品されるなど、国内外で注目を集めました。

出演者
土屋豊
雨宮処凛
伊藤秀人

スタッフ
監督: 土屋豊
脚本: 土屋豊
撮影: 土屋豊、雨宮処凛
音楽: 加藤健
語り: 土屋豊

関連情報
主題歌: REBEL BLUE
主演: 雨宮処凛

外部リンク
新しい神様
新しい神様 - allcinema
新しい神様 - KINENOTE
新しい神様 - IMDb（英語）

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