新ポリス・ストーリー

新ポリス・ストーリー：作品の概要と背景

『新ポリス・ストーリー』（しんポリス・ストーリー）は、1993年に公開された香港映画で、ジャッキー・チェンが主演するノンフィクション・サスペンス作品です。原題は「重案組」で、英語では「Crime Story」として知られています。邦題には「ポリス・ストーリー」と名付けられていますが、これはジャッキーの代表作である「ポリス・ストーリー」シリーズとは異なり、実際に1990年に香港で発生した誘拐事件を題材にしています。これを元にした物語展開は、従来のジャッキー・チェン映画のアクション満載のスタイルから一変し、よりシリアスなトーンで描かれています。

制作の背景

本作の制作にあたり、当初はジェット・リーが主演を務める予定でした。しかし最終的にはジャッキー・チェンがその役に変更されたことが知られています。そのため、ジェットが演じた刑事のスチルも現存しています。映画の制作過程では、本作が実際の事件をベースにしていることから、警察当局からの要請により捜査活動のシーンは大幅に簡略化されています。また、一部のシーンは実際の誘拐事件が起きた現場で撮影されました。

監督名義はカーク・ウォンですが、実際にはジャッキー・チェンとの意見の衝突が原因で解雇された後、ジャッキーが監督業を兼任する形となりました。このため、作品にはジャッキー映画おなじみのエンディングでのNGシーンも見られません。

ストーリーの概要

物語は、香港警察の重案組に所属する刑事エディ（ジャッキー・チェン）を中心に展開します。エディは任務において犯人を射殺したため、心のケアを受けることになります。しかし、カウンセラーの助言を無視し、彼はに不動産王のウォン・ヤッフェイの護衛にあたります。不幸にも、ヤッフェイは警察の情報を知る何者かによって誘拐されてしまうのです。エディは誘拐事件の解決を目指して奔走する中、自身の限界や仲間の犠牲に苦しむ姿が描かれます。

キャストとスタッフ

• - 監督: カーク・ウォン（ジャッキー・チェンが後に兼任）
• - 脚本: チュン・ティンナム、チャン・マンキョン
• - 音楽: ジェームズ・ウォン
• - アクション指導: ジャッキー・チェン、ジャッキー・チェンスタントチーム
• - 製作総指揮: レナード・ホー
• - 製作: チャイ・ラン

この映画は、1995年10月28日にフジテレビで放送され、初放送で話題を呼びました。映画はBlu-rayとDVDとしてもリリースされています。Blu-rayは2011年12月9日、DVDは2010年12月17日に販売されましたが、テレビ放送版は収録されていないため、一部字幕が用意されています。

まとめ

『新ポリス・ストーリー』は、アクションが主題の作品とは異なり、実際の事件を背景に重厚なドラマが展開されます。ジャッキー・チェンの演技とともに、作品が持つサスペンス感が評価されており、彼のキャリアの中でも異彩を放つ作品といえるでしょう。

もう一度検索