新・三等重役

新・三等重役

『新・三等重役』は、源氏鶏太による日本の小説であり、同作を原作とした映画、テレビドラマのシリーズです。原作は、週刊誌「サンデー毎日」に1958年から1960年にかけて連載された長編小説で、サラリーマン社会をコミカルに描いた作品として人気を博しました。

あらすじ

物語の舞台は、大阪東淀川区にある世界電機工業株式会社。主人公は、酒好きで独身の専務、沢村四郎です。彼の悩みは、会社の創業者一族であり、大株主の宮口鶴子。彼女は、些細なことで会社に乗り込んできては、様々なトラブルを引き起こします。沢村は、社内一のオールドミスである箱田章子や坂口社長と共に、これらの難題に立ち向かいます。

登場人物

主要人物

沢村四郎: 世界電機工業の専務。43歳。酒好きで、10年前に妻と死別して以来、独身。
箱田章子: 世界電機工業の社員。社内随一のオールドミスで、女子社員の親睦団体「みどり会」の会長。沢村の良き相談相手。
宮口鶴子: 世界電機工業の創業者である宮口五平の妻。大株主で、わがままで気まぐれな性格。

世界電機工業の社員

坂口貞二郎: 世界電機工業の社長。沢村を専務に昇進させた。
南部太郎: 秘書。
宮口理美子: 宮口五平の娘。総務課に勤務していた。
本間紀子、清沢美津子: 「みどり会」の副会長。
米倉幸子: 総務課社員。
渡辺新子: 受付嬢。
荒尾年男: 厚生課課長。鶴子の甥。
山崎岸子: 厚生課社員。
浜名智子: 厚生課社員。
八代波吉: 営業部社員。
武田彦太郎: 総務課社員。
古池ふみ子: 社内第二のオールドミス。
伊勢泰治: 仕入部社員。
江畑: 仕入部部長。
皆川忠雄: 宣伝部社員。

その他

鬼塚熊平: 電気製品卸問屋「鬼塚商会」社長。浮気癖がある。
鬼塚麻子: 熊平の妻。
久美子: 鬼塚の浮気相手。
太田雅代子: バー「青苑」のホステス。
戸山吉造: 元世界電機工業の経理部長。横領事件を起こした。
戸山みつ子: 吉造の妻。
神田のぶ子: バー「ワールド」のママ。宮口五平の不倫相手。
辻倉伊助: テレビアンテナ製造会社社長。
桃山春子: 三代目ミス・ワールド。
間宮: 桃山と駆け落ちした相手。
小菅桂子: 間宮の婚約者。
武田宇宙: 占い師。
藤沢典雄: 埴輪の研究者。
青山雄吉: 世界実業の御曹司。

映画

『新・三等重役』は、1959年に公開された映画を皮切りに、シリーズとして全4作が制作されました。森繁久彌が主人公の沢村四郎を演じ、そのユーモラスな演技が人気を博しました。

シリーズ作品

1. 新・三等重役: 1959年公開。
2. 新・三等重役 旅と女と酒の巻: 1960年公開。
3. 新・三等重役 当るも八卦の巻: 1960年公開。
4. 新・三等重役 亭主教育の巻: 1960年公開。

これらの映画は、それぞれ独立したエピソードを持ちながらも、登場人物は共通しており、シリーズを通して楽しむことができます。

テレビドラマ

『新・三等重役』は、映画だけでなく、複数回にわたりテレビドラマ化もされています。

テレビドラマ版

NET版: 1959年-1960年放送。
朝日放送版: 1961年放送。
日本テレビ版「新・新三等重役」: 1966年放送。

各テレビドラマ版は、それぞれ独自のキャストや演出で、原作の魅力を引き出しています。

作品の魅力

『新・三等重役』は、高度経済成長期の日本のサラリーマン社会を背景に、個性的な登場人物たちが繰り広げる人間模様をコミカルに描いた作品です。特に、大株主のわがままに振り回されながらも、機転とユーモアで乗り切っていく主人公たちの姿は、多くの人々の共感を呼びました。また、映画やテレビドラマで描かれた大阪の風景や風俗も、作品の魅力を高めています。

関連情報

原作: 源氏鶏太の小説『新・三等重役』
続編: 源氏鶏太の小説『三等重役』

外部リンク

IMDb (英語)
日本映画データベース
KINENOTE
* allcinema


『新・三等重役』は、現代でも多くの人々を魅了する、日本のエンターテイメント作品として、その名を残しています。

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