新・男はつらいよ

映画『新・男はつらいよ』の概要

『新・男はつらいよ』は、日本の人気映画『男はつらいよ』シリーズの第4作目として、1970年2月27日に公開されました。この作品は、プロデューサーの小林俊一が監督を務め、シリーズの脚本家である山田洋次は脚本のみの参加という形になっています。前作『男はつらいよ』からの公開日は43日という速度で続けてリリースされており、そのため撮影スケジュールはかなり厳しく、柴又や都立水元公園でのロケやスタジオ撮影が中心となりました。

あらすじ

本作では、主人公の寅次郎が旅の道中に出会った老婆の孫が電気あんかをプレゼントされるシーンから始まります。この出来事をきっかけに寅次郎は、家族へのお土産を買って故郷の柴又に戻りたいという気持ちが湧き上がります。また、叔父にお礼をしたいと願った彼は、名古屋の競馬場で予想外の大勝ちを収めることになります。

お金を手に入れた寅は、自信満々で柴又に戻り、親への感謝のしるしとしてハワイ旅行を計画します。この話が近所に伝わり、寅の評判は急上昇しますが、彼が準備を進めていた旅行社の社長が逃げてしまい、旅行の夢はあえなく消え去ります。寅はそのことを知られたくないあまり、密かに隠れて過ごすことに。しかしながら、泥棒がとらやに押し入ってくる事件が発生し、結局近所の人々に見つかってしまいます。

恥ずかしさから寅は柴又を離れ、兄妹のさくらは彼の気持ちを理解しつつも涙を流します。1ヶ月後、再びとらやに戻った寅は、2階の部屋が他の人に間貸しされていることを知り、再び出奔しようと考えます。その際、美しい幼稚園の教師・春子と出会い、彼の気持ちは一変します。春子を悦ばせようと四苦八苦する寅ですが、彼女は複雑な家庭の事情を抱えており、その影響で寅との関係も波乱が続きます。

寅は春子が父親を失ったことに気づき、彼女を励まそうと努力しますが、春子は仙台にいる友人との関係が影を落とします。寅が春子へのお土産を持って2階に上がると、意外な展開が待っていました。そんな問題を抱えつつ、寅の人間味溢れる行動が周囲を温かく包む一方で、彼自身の葛藤も深まっていきます。

音楽と逸話

本作のオープニングテーマには、珍しく「どうせおいらは底抜けバケツ」というバージョンの歌詞が使用されました。また、使用されたクラシック音楽の数々も話題です。予告編には本編では没になったシーンがいくつか含まれており、これらのシーンを見ることで映画の裏側を知ることができます。

まとめ

『新・男はつらいよ』は寅次郎のユーモアや人間関係の葛藤を描いた心温まる物語です。シリーズに登場するキャラクターたちとの関わりを通じて、寅次郎の成長や家族の絆が描かれており、多くの観客に愛され続けています。

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