新世紀エヴァンゲリオン (漫画)

新世紀エヴァンゲリオンの世界

『新世紀エヴァンゲリオン』は貞本義行が描く日本の漫画であり、アニメ版のキャラクターデザインを手掛けた著者によるコミカライズ作品です。通称「貞本エヴァ」として親しまれ、1995年から2009年まで長期にわたり連載されました。アニメに先行して『月刊少年エース』で連載が始まり、後に『ヤングエース』に移籍。最終巻は2013年に刊行され、累計発行部数は2500万部を超えています。

制作の背景

連載当初は『エヴァンゲリオン』というタイトルがなく、1995年の9月号から「新世紀」の名が加わりました。アニメの放送終了後、シリーズは何度かの長期休載を経て、最終的には19年の歳月をかけて完結しました。原作アニメとは異なり、この漫画版はアニメの脚本や原案に基づいていますが、独自のストーリー展開やキャラクターの解釈も加えられております。特に、渚カヲルの登場時期や性格は大きく変更されています。

貞本は、アニメの「神の視点」と漫画の少ない情報量との違いを意識し、読者にわかりやすくすることを心掛けました。また、ストーリーをキャラクターの心の動きに寄り添い、エヴァの世界観を描写しました。その結果、進行が遅く、通常の漫画に比べて発行ペースは緩やかではありましたが、作品の質は高められました。

あらすじ

物語は西暦2015年、14歳の少年・碇シンジが父・碇ゲンドウに呼び出され、エヴァンゲリオンの初号機に乗るよう命じられるところから始まります。シンジは父への複雑な感情を抱きつつも、使命感からEVAのパイロットとして戦う決意を固めます。彼は葛城ミサトと同居し、同級生たちとの関係を深めていく中で成長します。

さらに、新たなパイロットの惣流・アスカ・ラングレーが加わり、物語は彼女の影響を受けながら進行します。物語の展開と共に、シンジは父の過去や自分の運命に向き合わざるを得なくなり、様々な葛藤を経験します。

終盤の展開

漫画版の終盤は旧劇場版『Air/まごころを、君に』を元にしていますが、結末は独自の解釈によるものとなっています。特にシンジは、新たな未来への一歩を踏み出すことになります。最終巻には番外編として「夏色のエデン」が含まれ、大学時代の碇ユイと六分儀ゲンドウの若き日の物語が描かれています。

書誌情報

このシリーズは、通常版と愛蔵版が発行されています。愛蔵版はA5サイズで、通常版の内容を編集されたものとして2021年にリリースされ、特に人気を博しました。また、アメリカや他の国でも多様なバージョンが出版され、国際的にも多くのファンを獲得しています。

まとめ

『新世紀エヴァンゲリオン』は、深いストーリーと個性的なキャラクター描写によって、読者に強烈な印象を与える作品となっています。その影響力は未だ衰えを見せず、さまざまなメディアで語り継がれています。

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