新型コロナウイルス接触確認アプリ

新型コロナウイルス接触確認アプリ（COCOA）

新型コロナウイルス接触確認アプリ（略称：COCOA）は、日本の厚生労働省とデジタル庁が提供するスマートフォン向けのアプリです。このアプリは、Bluetoothを利用して利用者間の接触を記録し、新型コロナウイルス（SARS-CoV-2）の陽性者が出た場合にその旨を通知します。これにより、利用者は感染の可能性を把握し、自主的な隔離や医療機関への受診を検討することができます。2022年11月には、新型コロナ感染処理番号の発行と接触確認への表示が停止されました。

名称と発音

正式名称は「新型コロナウイルス接触確認アプリ」であり、愛称として「COCOA」が用いられています。COCOAの発音は、「ココア」ではなく「コウコウ」に近いのですが、報道等では「ココア」と呼ばれることが多いです。

開発の背景と経緯

2020年5月、AppleとGoogleは新型コロナウイルス感染症対策のため、各国公衆衛生当局向けに接触通知APIの提供を開始しました。その後、日本では厚生労働省がこのAPIを使用して接触確認アプリの仕様書を公開しました。COCOAの開発は、主にパーソルプロセス&テクノロジーが主導し、MicrosoftやFIXER、エムティーアイなどが技術支援や運用、保守開発を行っています。

資金と開発パートナー

開発にあたっては、豊富な資金が投入され、総額は約12.7億円にのぼりました。特に、Microsoftの協力のもと、オープンソースコミュニティ「COVID-19 Radar Japan」によるボランティア活動もありましたが、政府機関からの指示による影響で開発メンバーは正式な開発から離れました。

アプリの機能

COCOAは、インストールされたスマートフォン同士がBluetoothを使って近接すると、その接触情報を記録します。このデータは暗号化され、14日間保存された後、自動的に消去されます。さらに、陽性者が保健所から発行された処理番号をアプリに入力することで、その接触者に対して通知を送信します。

不具合とトラブル

リリースされた初期段階では、いくつかの不具合が発生しました。例えば、陽性情報の登録で発行されていない処理番号でも登録できるという問題や、アプリの利用開始日が誤って表示される等のトラブルが報告されました。これらの問題は後に修正されましたが、蓄積された不具合に対する利用者からの批判もありました。特にAndroid版では、接触者通知機能に不具合があり、厚生労働大臣が謝罪する事態にも発展しました。

今後の展望

2022年11月に接触確認機能が停止したことにより、アプリの意義や役割には疑問が持たれています。今後の状況により、COCOAへの改良や新たな付加機能の追加が求められるかもしれません。新型コロナウイルスの影響が改善された場合でも、感染症対策としてのデジタルツールの重要性は変わらないでしょう。

参考情報

最終的に、COCOAは新型コロナウイルスへの対応として、日本国内で重要な役割を果たしたアプリの一つであり、その開発経緯や機能、発生したトラブルについては今なお注目されています。

もう一度検索