新型チャムスリ級高速艇

新型チャムスリ級高速艇

新型チャムスリ級高速艇（Chamsuri-211 class patrol vessel）は、大韓民国海軍が運用する現代的な沿海哨戒艇です。この艦級は、前任の大鷲型（チャムスリ型）の後継として設計され、正式にはPKX-Bという事業名で知られています。また、開発時には犬鷲（コムドクスリ）B型と呼ばれましたが、高速艇の伝統を継承する形で「チャムスリ」という名が引き継がれています。現代の韓国海軍では、新型チャムスリもしくはPKMRの名称で親しまれています。

新型チャムスリ級は、全体で16隻の建造が計画されており、最初の8隻が2020年までに韓国海軍に引き渡される見通しです。各艦の建造費用は615億ウォンとされており、韓国海軍の防衛能力強化に寄与することを目的としています。これらの艇は、沿海地域での哨戒活動を重視しており、高速で機動性に優れた設計が特徴です。

この艦級は、前の大鷲型に先駆けて就役した尹永夏級（PKX-A）の後継として位置づけられています。尹永夏級は、サイズが大きくなりすぎており、そのために新型チャムスリ級が設計されました。尹永夏級ではステルス性が考慮されていたものの、新型ではその要求はされていません。電子装備に関しては、尹永夏級と同等のものが搭載されていますが、過剰な装備による不具合の問題も報告されています。

事件・事故の概要

新型チャムスリ級において、2020年3月に定期的な保守点検が実施された際、1隻のエンジンシリンダーヘッドに破損が見つかりました。後の調査によって、既に就役中の4隻全てが同様の問題を抱えていることが判明しました。この影響で、海軍は迅速な対応が求められることとなりました。

さらなる調査の結果、2020年7月に国防部が行ったブリーフィングで、問題の根本的な原因が解明されました。それは、設計ミスによってエンジンに海水が流入し、船体の重さ増加によりエンジンに過大な負荷がかかっていることでした。この問題は、設計や製造プロセスの見直しを必要とする大きな課題です。

今後、新型チャムスリ級高速艇はこれらの問題を克服し、韓国海軍の近代化を進める重要な役割を果たすことが期待されています。

もう一度検索