新堂幸司

新堂 幸司

新堂幸司（しんどうこうじ、1931年8月20日生まれ）は、日本を代表する法学者であり、民事訴訟法の専門家として広く知られています。彼は長年にわたって教育、研究、弁護士活動を通じて多大な影響を与えてきました。

学歴と職歴

新堂は1950年に愛知県立旭丘高等学校を卒業し、1954年には東京大学法学部を卒業しました。それから数年後、東京大学の助教授に就任し、1968年には教授に昇進しました。1992年に定年退官したのち、名誉教授の称号を受け、東海大学法学部教授としての新たな一歩を踏み出しました。さらに、彼は2004年から2007年まで愛知大学法科大学院の教授を務め、のちに名誉教授となりました。

学説と研究

新堂は、三ヶ月章が提唱した新訴訟物理論や訴訟法説を受け継ぎつつ、民事訴訟法の独自性を重視した理論の発展に寄与してきました。彼の論文では、既判力の客観的範囲に関する争点効理論や、主観的範囲についての反射効理論に関する独自の概念が提唱されており、これらは民事訴訟法学の進展に大きく寄与しています。

弁護士としての活動

東京大学を退官後の1992年、彼は弁護士として第二東京弁護士会に登録し、森綜合法律事務所に客員弁護士としてキャリアをスタートしました。その後、2011年9月には松村国際法律事務所に参画し、現在は新堂・松村法律事務所を運営しています。これにより、新堂は法学者としての知見を基に、実務の現場でも活躍する弁護士としての役割を果たしています。

家族と弟子たち

彼の長女である新堂明子は法学者で、民法を専門とし、法政大学法科大学院で教授を務めています。また、彼の弟子たちには高橋宏志、高田裕成、山本和彦、太田勝造、長谷部由起子、佐藤鉄男、樫村志郎などがいます。新堂は直接の指導を通じて若手法学者の育成にも力を入れており、彼らの研究や活動に大きな影響を与えています。

社会的活動

新堂は、民事訴訟法学会の理事長を1983年から1986年まで務め、法務研究に関する各種団体でも要職を歴任しています。さらに、損害保険契約者保護機構や簡易生命保険審査会での審査業務も行っており、これらの活動においても法律の発展に寄与しています。

主な著書

彼は多くの著書を執筆しており、法人や学会との共同研究による出版物も多彩です。主な著作には、『新民事訴訟法』や『訴訟物と争点効』、さらには『金融取引最先端』などがあります。これらの著作は、民事訴訟法を学ぶ学生や実務家にとって貴重な参考資料となっています。

新堂幸司は、法学の教育と研究、実務において革命的な貢献をした法学者として、その名を歴史に刻んでいます。彼の理論に基づく研究や実践は、現代の法学に多大な影響を与えています。

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