新宿東宝ビル

新宿東宝ビル: 歌舞伎町の新しいシンボル

新宿東宝ビルは、東京都新宿区歌舞伎町1丁目に位置する東宝が設計した複合型ビルです。このビルは、かつて新宿コマ劇場や新宿東宝会館があった跡地に立てられ、2015年4月17日に開業しました。低層部にはTOHOシネマズ新宿が入店し、さまざまな映画体験を提供していることが特徴です。また、ビルの8階には目を引く実物大のゴジラヘッドが設置されており、この周辺のランドマークとして多くの人々に認知されています。

歴史と建設の経緯

新宿コマ劇場と新宿東宝会館は2008年末に閉館し、その後建物の老朽化が課題となりました。2011年3月からは解体工事が始まり、同年7月に新たなビルの建設が発表されました。デザインと施工は竹中工務店が担当し、集客力と多様な用途を兼ね備えた施設を目指しました。特に低層部では大型物販施設が検討されたものの、地域住民からは「劇場を継続すべきだ」という声もあがりました。最終的に東宝は、映画館の魅力を復活させるべくシネコンを設置する決定を下しました。

高層部には、藤田観光が運営するホテルグレイスリーが入居しています。新宿東宝ビルは地上30階、地下1階の規模を誇り、延床面積は54,735.31m²に達しています。地下には駐車場や駐輪場が設けられ、1-2階には物販や飲食店、遊戯施設、3-6階にはTOHOシネマズが運営するシネマコンプレックスが整備されています。8-30階にかけてはホテルグレイスリー新宿が展開されており、総事業費は約232億円とされています。

デザインの特徴

このビルの外装は、コマ劇場の歴史性を継承するためにデザインされており、劇場の幕をモチーフに使用されています。高層部分は一枚のモノリスに見立てられ、客室の明かりがスクリーンのピクセルを彷彿とさせるような抽象的な表現がなされています。8階に位置する実物大のゴジラヘッドは、ガラス繊維補強セメントを用いて作られ、ビルの象徴として多くの来館者を迎えています。

主要なテナント

新宿東宝ビルには、映画館や宿泊施設以外にも多くのテナントが存在します。

• - TOHOシネマズ新宿: 新宿エリア最大のシネマコンプレックスで、総座席数は2,323席（車椅子席24席）を有します。
• - ホテルグレイスリー新宿: 2015年4月24日に開業したスタイリッシュなホテルです。
• - その他、飲食店や物販店として、築地銀だこやリンガーハット、大阪王将などが入居しています。

若者の集まる場所「トー横」

さらに、2018年頃から新宿東宝ビルの近くは若者たちの待ち合わせスポット「トー横」として知られるようになりました。このエリアは、居場所を求める未成年者が集まることが多く、様々な社会問題が指摘されています。警察もこの課題に対策を講じており、地域社会の安全への配慮が求められています。

新宿東宝ビルは、その独自のデザインや機能、地域との関連性を結びつけ、東京の新たな文化的拠点として多くの人々に愛され続けています。

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