新宿赤十字病院

新宿赤十字病院の歴史

新宿赤十字病院は、東京都新宿区歌舞伎町にかつて存在した病院で、1996年まで日本赤十字社東京都支部がその運営を行っていました。この病院の歴史は1945年にさかのぼり、医学博士の篠田義市が経営する篠田療院が日本赤十字社に買収されたことが始まりです。

当初の医療提供は外科と小児科であり、戦後の様々な変化を経ながら、新宿赤十字産院という名称で1948年に新宿赤十字病院へと発展していきます。産院の設立には、当時の社会情勢を反映した背景がありました。最初の院長には、本社産科医長の鈴木武徳が就任し、約30床の病室が設置され、実際には13床が稼動しました。

1964年には新館が完成しましたが、近隣病院との競争や少子化、地域の人口減少などにより、医療需要は次第に減少。1989年には一般病院への転換と病院名の変更を行い、新宿赤十字病院として新たなスタートを切りました。

しかし、さらに厳しい形勢が続き、1994年には日本赤十字社病院経営審議会が新宿赤十字病院の廃止を決定。これを受け、1996年3月31日に病院は廃院され、その後武蔵野赤十字病院と統合されました。病院があった建物は解体され、現在その跡地にはビジネスホテルが建設されています。

年表

• - 1945年: 篠田療院の買収により、日本赤十字社東京支部篠田療院が設立される。
• - 1946年: 日本赤十字社東京支部西大久保療院に改称。
• - 1948年: 新宿赤十字産院が設立され、鈴木武徳が院長に就任。
• - 1960年: 新宿区西大久保の土地を買収。
• - 1964年: 新館が完成。
• - 1975年: 山下泰正が院長に就任。
• - 1989年: 一般病院に転換、名称が新宿赤十字病院に変更。
• - 1994年: 経営改善方策が答申され、廃止方針が決定。
• - 1996年: 医療提供が終了し廃院。

この病院の歴史は、戦後日本における地域医療の変化と柔軟な対応の一例であり、社会情勢や医療ニーズの移ろいを象徴しています。新宿赤十字病院の存在は、地域の人々にとって重要な医療資源であったことを忘れてはならないでしょう。

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