新庄之宮神社

新庄之宮神社は、広島県広島市西区大宮一丁目に位置する神社です。創建は正慶年間（1332年～1334年）に遡るとされ、紀州熊野神社の分霊をこの地に勧請したのが始まりと伝えられています。歴史あるこの神社は、広島市の中心部から約2.9kmの距離に位置しており、第二次世界大戦の原爆投下による被害を受けながらも、その社殿は現在、広島市の被爆建造物として指定されています。

交通アクセスとしては、最寄りのバス停「大芝町」から徒歩約5分で神社に到着することができます。このアクセスの良さも、多くの人々が訪れる理由の一つです。

特筆すべきは、新庄之宮神社の社叢が広島県指定文化財に指定されている点です。社叢とは、神社を取り囲むように存在する森林のことを指し、この神社では常緑広葉樹と落葉広葉樹の様々な木々が生い茂っています。その中でも特に目を引くのが、樹高30mにも達する巨大な夫婦楠です。この夫婦楠は、市内でも有数の巨樹として知られ、かつては広島市の中心部から北へと向かう人々の目印となっていたとされています。

社叢は、単に木々が生い茂っているだけでなく、歴史的、文化的な価値も高く評価されています。これらの樹木は、長い年月をかけて成長し、その姿は訪れる人々に安らぎを与えます。また、この場所は地域の人々にとって、自然と歴史が融合した貴重な空間であり、静寂の中で祈りを捧げ、心を落ち着かせる場所として親しまれています。

新庄之宮神社は、歴史的な背景、被爆建造物としての価値、そして美しい社叢と巨樹の存在を通じて、広島の歴史と自然を今に伝える重要な場所です。訪れる人々は、その静かで神聖な雰囲気の中で、歴史の重みと自然の美しさを感じることができるでしょう。

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