新心無手勝流

新心無手勝流について

新心無手勝流（しんしんむてかつりゅう）は、江戸時代に発展した居合術の一つであり、熊本藩で伝承されてきた流派です。この流派は、山本左近太夫秋宗によって設立されました。彼は、塚原卜伝の流派を学んだ後、各地で修行を重ね、様々な流派の技を身につけたとされています。新心無手勝流は、特にその独自の技や教えが伝えられ、今日まで受け継がれています。

歴史的背景

新心無手勝流の創始者である山本左近太夫秋宗は、自ら磨いてきた技をもとに、新たにこの流派を開きました。彼の修行は多岐にわたり、様々な流派の要素を集約する形で新しい技術体系を構築しました。彼は神に祈りを捧げつつ開いた流派であり、その精神性や目的も流派の重要な一部を形成しています。

流派の内容

新心無手勝流には、多岐にわたる技や教えがあり、その中には「七様」や「極意二十八ヶ条」などが含まれています。その具体的な内容は以下の通りです。

七様

• - 向の刀
• - 右剣
• - 左剣
• - 胸の刀
• - 俤

また、極意としては以下のような二十八ヶ条が存在します。

極意二十八ヶ条

• - 替膝
• - 頂上
• - 四方詰
• - 逸殺足
• - 抜留
• - 胸搦
• - 肮切

さらに中段からも二十二ヶ条の技が伝えられており、多様な技法を駆使して相手に立ち向かうための技術が継承されています。例えば、向詰や逆手抜、行違ひ切といった技は、相手の動きに応じた柔軟な攻撃を可能にします。

口伝・介錯太刀

新心無手勝流の教えは、口伝によってもしっかりと伝えられています。介錯太刀についてや、様々な道具の使用法、立居や行動に関する技法も教壇で学ばれる重要な要素です。これには、刀を抜く技や、背後からの攻撃への対処法なども含まれています。

系譜

この流派は、代々の師匠から弟子へと受け継がれてきました。例えば、以下のような系譜が矢野家に伝わっているのです。

• - 山本左近太夫秋宗
• - 加藤安太夫勝秋
• - 飯餉左門重勝
• - 戸田徳太夫政実
• - 戸田助左衛門勝就
• - 戸田孫助勝英
• - 矢野仙右衛門親英
• - 矢野彦左衛門廣英
• - 矢野司馬太廣則
• - 矢野廣次

このように、新心無手勝流は歴史的背景を持つ第一級の流派であり、その伝承は現在も続けられています。武道としての技術だけでなく、精神性や武士道の教えも重んじられていることが、この流派の特徴でもあります。

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