新教会

新教会の概要

新教会（しんきょうかい、英語: New Church）は、エマヌエル・スヴェーデンボリ（1688-1772）の著作に基づくキリスト教系の新宗教です。スヴェーデンボリはイエス・キリストからの啓示を受け、25年以上にわたって幻を観たとされています。彼の教えでは、神は伝統的な教会に替わって「新教会」の設立を予見し、その中でイエス・キリストを一人の神として礼拝することの重要性を説いています。信者たちは人間の生き方を悔い改め、善を行うことに積極的に関与することが求められています。

教義の特徴

新教会の教義は、神がスヴェーデンボリに与えた聖書の霊的な解釈に基づいており、それはイエス・キリストの再臨と真理の啓示とされています。信者はスヴェーデンボリが霊界で新教会の設立を見守ったと信じています。新教会は、イエス・キリストが天地の唯一神であり、戒律を遵守することが救済に不可欠であると教えます。また、全ての良い行いは神との一致をもたらすという信念を持っており、普遍的な教会の性質も認認識しています。

この宗教運動は「スウェーデンボルグ主義」、「新エルサレム教会」などの異なる名で呼ばれています。スヴェーデンボリの著作は匿名で発表され、信者たちは愛と仁愛に基づく一つの教会を求めているのが特徴です。さらに新教会の信者は、書物から得た教義が真理への理解を深め、個人の成長を助けると信じています。

新教会の歴史

スヴェーデンボリは自身の著作で新教会の設立を予言していましたが、彼自身は組織の創設を試みることはありませんでした。1768年には彼の著作について異端審査が行われ、1770年には神学思想がキリスト教と矛盾するとされ、教えを禁止されました。スヴェーデンボリは王に許可を求める手紙を書きましたが、捜査は事実上停止されました。

彼の死後、1787年に英国で新教会が成立し、1789年にはロンドンで最初の合同会議が行われました。教義は米国にも広まり、多くの伝道師がその思想を広めました。有名な伝道師の一人にはジョン・チャップマン（ジョニー・アップルシード）がおります。

秘跡と儀式

新教会における主な秘跡は洗礼と聖餐式です。洗礼は信者がキリスト教に加わることや心の改変を意味し、理性的な理解に達した者が行います。聖餐式は人間の心が神に従って再創造され、神との親しい交わりを象徴します。信者はこの儀式に参加する際、自身の生活を吟味しなければなりません。また、結婚は個人的な秘跡とされていますが、司祭による儀式が重要視され、神聖なものと見なされています。

新教会における結婚は、真の愛が神に由来するため、神を基盤とする信仰が重要です。結婚関係は霊的な結合として描かれ、天においても続くストーリーが信じられています。男女はそれぞれの役割を持ちながら、神の王国で完璧な協力を目指します。

新教会は、他のキリスト教系宗教と異なる独自の教義を持ちながら、神との関係を重んじている宗教運動です。信者たちはスヴェーデンボリの教えを基にした信仰によって、個々人の霊的な成長を追求しています。

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