新日本様式

新日本様式について

新日本様式（しんにほんようしき、英: Japanesque Modern）は、日本の伝統文化と先端技術を融合することを目指した新しい様式です。この取り組みは、2006年に経済産業省の「新日本様式」ブランド推進懇談会の報告書をもとに設立された新日本様式協議会によって提唱されました。そののち、協議会は日本の「日本らしさ」の美意識を再提言することを目指し、クリエイティブな商品やコンテンツを生み出すことに注力してきました。

定義と理念

新日本様式の核心には、「たくみのこころ」、「もてなしのこころ」、「ふるまいのこころ」の三つのキーワードがあります。これらは、日本人が持つ美意識や深い精神文化を基に、以下のような価値観を表現しています。

1. たくみのこころ: 伝統的な素材を大切にし、引き継がれた技術や知恵を尊重しながら、新たな技術や文化の創造を目指します。
2. もてなしのこころ: 多様な考えや新しい価値を尊重し、調和と共存を重視します。
3. ふるまいのこころ: 個々の個性を育みつつ、全体への責任を持った行動を促します。

このように、文化的な側面と技術的な側面の双方から「新日本様式」は日本のオリジナルな特徴を高め、国際的な競争力を持つ製品や体験を生み出すことを目指しています。

「新日本様式」100選

日本の文化と技術を融合した製品やコンテンツは「新日本様式」100選として評価され、その中には多岐にわたる商品が選ばれています。例えば、ヤマハの音楽機器「Silent Violin SV-120」、松下電器産業（現パナソニック）のプラズマテレビ「ビエラPZ600シリーズ」、そしてSHARPのウォーターオーブン「ヘルシオ AX-HC2-S/R」など、名だたる企業の製品が含まれています。

初年度には254の候補から53点が選ばれ、認証ロゴである「Jマーク」が付与されました。この活動は以降も続き、2007年度には新たに63点が選定され、累計で116点に達しました。認定された商品は、新日本様式に則った価値を具現化しており、その多くはデザイン性だけでなく、機能性や環境への配慮も兼ね備えています。

現在の状況

新日本様式協議会は、2006年から2009年までの期間限定の活動として始まりましたが、現在はその活動が休止しています。それでもなお、新日本様式の理念は多くの製品やプロジェクトに影響を与え続けています。日本の伝統と現代技術を融合させる取り組みは、今後も日本独自の創造性を育む重要な要素であり続けることでしょう。

関連項目

• - グッドデザイン賞
• - 新日本様式アーカイブ

新日本様式は、単に新しいデザインを創出するだけでなく、物の背後にある文化や精神、そして人々の生活を豊かにするための試みであり、私たちの未来に多くの可能性をその中に秘めています。

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