新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST

『新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST』の詳細

『新機動戦記ガンダムW BATTLEFIELD OF PACIFIST』は、1997年に講談社の雑誌「覇王マガジン」と「コミックボンボン」に掲載された漫画作品です。本作は、人気TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』とその続編『Endless Waltz』の間に位置する物語を扱っています。

作品の背景

原作は、TVシリーズの脚本を手掛けた千葉克彦が担当。メカニックデザインには石垣純哉が関与し、作画は『新機動戦記ガンダムW』の漫画版を担当したときた洸一が行っています。物語は、ガンダムを廃棄する過程や、五飛が『Endless Waltz』で敵になるまでのドラマが描かれています。特に、この作品はラジオドラマと同時期に位置する話として展開しながらも、メディアの違いによりスムーズに企画が進んだことが特徴です。

物語の概要

A.C.196年、平和な地球圏統一国家が発足するも、兵器の開発禁止と撤廃は容易ではありませんでした。外務次官リリーナは、過去に兵器を開発していた工場の視察を行っていましたが、地下での爆発により、ヒイロとデュオが目の前に現れます。彼らは戦闘が終わった後も、リリーナが行えない活動を代行し、平和に向けた道を模索していました。

未だ宇宙には、無人モビルスーツMDプラント「ウルカヌス」が漂っており、未使用のビルゴが300機以上残されているという噂があります。その世の中で、トロワは「パーフェクト・ピース・ピープル（P3）」と呼ばれる新たな運動について調査を進めていました。一方、五飛は彼らとは異なり、OZの残党と接触している様子です。

カトルは、所属不明のビルゴによる襲撃を受けます。トロワは連絡の途絶に気づき、月にガンダムを取りに向かいますが、その月にもビルゴが接近していました。デュオが駆けつけ、カトルも合流するものの、彼はすでに洗脳されてしまっており、戦闘に加わります。

P3の暗躍と戦闘

カトルの治療が始まると、P3がガンダムの戦闘シーンを放送し始め、リーダーのビクターはそれを用いて「ガンダムは脅威である」と世間に伝えます。その後、カトルは襲撃者がP3であることを明かし、戦闘映像は自作自演であることが判明します。

同様にして、五飛と外部の残党たちもビルゴに襲われますが、彼の高い戦闘力によって撃退。ブローデンはウルカヌスを手に入れる目的を懸念し、人類の進歩のために不正規な手段を講じることを考え始めます。

ヒイロはウルカヌスに関する情報を求めてリリーナと再会しますが、彼女の平和監視機関への参加の誘いを断り、戦闘の準備を整えます。

クライマックスと結末

ついにウルカヌスに到達した五飛とブローデン達、しかしMDビルゴやP3との戦闘が待っていました。ビクターがスパイから情報を得てウルカヌスを支配し、ビルゴが起動し始めます。ヒイロはビクターの主張に対し、力による支配を批判し、自らが持つ力を捨てることへと進む決心を固めました。

最終的に、カトルの提案により、ガンダムたちはウルカヌスとともに太陽へと廃棄する決意を固めます。彼らは、自らを信じ、武器を持つ者への疑念を捨て、新たな時代への第一歩を踏み出そうとしています。

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