新潟フェイズ

新潟フェイズ（NIIGATA PHASE）

新潟フェイズは、1992年8月6日に新潟県新潟市中央区万代にオープンしたライブ・イベントスペースです。この施設は、新潟交通グループや東北電力、キリンビールなど、地域の財界各社が出資したことによって実現しました。新潟市の「環日本海時代の先駆け」として、新しい文化を創出し育むことを目指して設立されました。

構造とデザイン

新潟フェイズは、信濃川に架かる萬代橋の近くに位置しており、独特な「シャッター建築」と呼ばれる構造を持っていました。この建物は、直方体の形状をした躯体がシャッターで覆われたようなデザインで、特に信濃川側の可動式シャッターはイベントに応じて開閉され、外部の芝生スペースと一体的に利用できることが特徴でした。この設計は、イベントを開放的に楽しむことを促進するためのものであり、訪れた人々に開放感を提供しました。また、エントランス前には「ラシントンカフェ」というレストランも併設され、多くの人々が利用しました。

多様なイベントの開催

新潟フェイズは、当時新潟県内で最大のライブハウスとされ、コンサートだけでなく、展覧会や見本市、プロレス、さらにはディスコイベントなど、多岐にわたる文化活動が行われました。万代シティに近く、新潟駅からも徒歩圏内という利便性も相まって、さまざまなイベントに多くの人々が集まりました。

運営の変遷と閉鎖

当初、新潟フェイズは7年程度での解体を想定した低コスト建築として設計されましたが、実際には10年以上にわたり運営されました。しかし、2003年春には、北側の万代島に「朱鷺メッセ」、さらに「NIIGATA LOTS」といった新たなライブハウスが開業し、競争が激化する中で、設備面での問題が浮上しました。特にシャッター構造は断熱性が低く、空調が効きにくいという欠点により、動員が減少。2007年12月31日のカウントダウンイベントを最後に閉鎖されてしまいました。同年12月29日には「ラシントンカフェ」も営業を終了しました。

跡地の変化

新潟フェイズは2008年春までに完全に解体され、その跡地にはマンション「パストラルハイム萬代橋」が建設されました。このマンションは2010年3月に竣工し、当時のフェイズの面影はほぼ残っていませんが、地域の新たなランドマークとして新しい歴史を刻んでいます。

また、フェイズの隣接区画には以前「香港」というキャバレーが存在しており、そのドーム型の屋根が目を引いていました。音楽家であるcobaは、幼少期にこの新潟市に住んでいた経験を持ち、フェイズでのライブではその思い出を語っています。新潟フェイズは、その独特な構造と多彩なイベント、そして地元文化の発信地としての役割を果たしました。

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