新潟県立新井高等学校

新潟県立新井高等学校は、新潟県妙高市田町に位置する県立学校です。上越地方南部、特に妙高地域において唯一の高等学校としての役割を担っています。また、新潟県内に複数ある総合学科の高校の中で、唯一の私服校であるというユニークな特徴を持っています。

学校の教育は総合学科の特性を活かしたもので、平成8年度（1996年度）に従来の普通科、工業科、商業科などの学科を改編し、総合学科として新たな歩みを始めました。生徒は1年次に基礎を学び、2年次からは各自の興味や将来の進路に合わせて多様な学習系統を選択することができます。具体的には、人文科学、自然科学、福祉、体育、ビジネス、工業といった幅広い分野が用意されており、生徒一人ひとりの自己実現を支援する体制が整っています。

新井高等学校の教育目標は、「自分の生き方を自己決定できる能力の育成」「基礎学力の充実」「強靭な身体と健全な精神の錬成」「社会性豊かな人間の育成」の四つを柱としています。これらの目標達成のため、充実した進路ガイダンスや授業展開、体育・勤労体験学習、生徒会活動やクラブ活動、ボランティア活動など、多角的な教育活動が行われています。

学校の歴史は古く、二つの前身校に遡ります。明治43年（1910年）に設立が決定された中頸城郡立新井農学校が翌明治44年（1911年）に開校したのが男子校の源流です。一方、女子教育としては、大正13年（1924年）に新井町立新井実科女学校が開校し、後に新井高等女学校と改称されました。昭和23年（1948年）、学制改革を経てこれら二校が統合され、「新潟県立新井高等学校」として設立されました。当初は農業科、工業化学科、被服科が設置され、同年には定時制課程も開設され、中心校の他、原通、矢代といった僻地にも分校が設けられました。その後、普通科や商業科が追加されるなど学科構成は変化しましたが、時代や地域のニーズに合わせて多様な学びを提供してきました。定時制分校は段階的に廃止され、中心校も昭和51年（1976年）に廃止されています。そして平成8年（1996年）に総合学科へ移行し、現在に至ります。平成17年（2005年）には市町村合併により所在地表記が妙高市に変更となりました。

生徒の課外活動も盛んで、運動部には陸上競技、テニス、卓球、バレーボール、バスケットボール、野球、スキー、剣道、空手道、サッカー、バドミントン、水泳など、多岐にわたる選択肢があります。文化部も美術、吹奏楽、写真、書道、茶道、ニューミュージック、クッキング、社会科クラブ、英語、放送部などが活動しており、生徒の個性を伸ばす機会が豊富です。その他、柔道同好会も存在します。

年間行事としては、4月の入学式に始まり、体育祭（6月）、文化祭「六華祭」（9月）、2年生の修学旅行（10月）など、学校生活を彩る様々なイベントが行われます。最寄り駅はえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの新井駅で、徒歩約10分とアクセスも便利です。

これまでの歴史の中で、新井高等学校は多くの有為な人材を社会に送り出してきました。奇術師の引田天功氏、元バスケットボール日本代表で指導者の陸川章氏、佐川急便会長の栗和田榮一氏、YouTuberのSEIKin氏、HIKAKIN氏、Masuo氏、ソチオリンピック銅メダリストの清水礼留飛氏など、様々な分野で活躍する著名な卒業生を輩出しています。地域に根ざし、多様な学びの機会を提供する新井高等学校は、生徒一人ひとりの可能性を引き出し、将来へと繋がる力を育んでいます。

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