新町 (青森市)

青森市新町：歴史と変化が交差する街

青森市新町（しんまち）は、青森駅東口から東へ延びる新町通りに沿って、約1キロメートルにわたり東西に広がるエリアです。かつて青森市随一の繁華街として栄えましたが、時代の変化とともにその様相を変えつつあります。この記事では、新町の地理的特徴、歴史、そして現在の姿を詳細に解説します。

新町の地理

新町は、青森市の中心市街地の北西部に位置し、新町通り（青森県道16号青森停車場線）が街の中心を貫いています。新町通りは青森駅の駅前通りとして、市内でも重要な役割を担っています。八甲通り（アスパム通り）との交差点を境に、西側が一丁目、東側が二丁目となっています。

新町は、北は安方、東は本町、南は古川・長島、西は柳川と隣接しています。特に、新町通り沿いと図書館通り新町線沿いでは街の雰囲気が大きく異なり、同じ通り沿いでも東西で異なる表情を見せるのが特徴です。図書館通り新町線沿いの一丁目は「ニコニコ通り」と呼ばれる商店街、二丁目は官庁街となっています。

新町通りの特徴

新町通りは、青森市のメインストリートであり、商店やオフィスビルが立ち並んでいます。かつては青森市最大の商店街でしたが、近年は郊外の商店街との競争が激化し、マンションが増加するなど変化が見られます。

新町通りの道路設備

新町通りは全幅25メートルで、両側に歩道が設けられています。車道は2車線で、冬には融雪パイプによる散水が行われます。歩道にはアーケードが設置されており、1959年頃に初めて設けられました。現在のアーケードは1977年に改築されたもので、1990年代後半には電線地中化工事とともに一部が改装されました。歩道には自転車通行帯が設けられ、オブジェや掲示板が設置されています。

新町通りの主な施設

新町通り沿いには、青森駅前公園、アウガ、青森市役所駅前庁舎、青森市民図書館、さくら野百貨店青森店など、多くの商業・公共施設があります。これらの施設は、新町の賑わいを支える重要な要素となっています。

郊外移転と再開発

青森市は、都市機能の郊外移転を経験してきた都市です。1970年代から、青森市中央卸売市場やサンロード青森などの商業施設が郊外に移転し、浦町地区が発展しました。その後、青森県立中央病院や青森県立図書館などの公共施設も郊外に移転しました。

2000年前後には、ジョイフルシティみなみ西バイパス店（現マエダモール西バイパス店）やイトーヨーカドー青森店などの大型店舗が郊外に開店し、新幹線の新青森延伸とともに駅周辺にも大規模店舗が進出しました。一方、新町通りでは空き店舗が問題となり、パサージュ広場やアウガなどの再開発が行われましたが、新町の中心は青森駅前に移行しつつあります。

ニコニコ通り

ニコニコ通りは、新町一丁目の図書館通り新町線沿いにある商店街で、古川一丁目と一体化しています。アーケードが設けられ、衣料品店、食料品店、飲食店などの小規模な商店が並んでいます。アウガ周辺には生鮮食料品店が多く見られますが、商店数は減少傾向にあります。

新町二丁目官庁街

新町二丁目の図書館通り新町線沿いは、青森県警察本部、青森県庁舎北棟、青森合同庁舎などの官庁が多く、隣接する長島一丁目とともに官庁街を形成しています。

その他の通り

新町通りには、中央古川通り、昭和通り、夜店通り、八甲通り、県庁通り、柳町通りなどの通りが交差しています。これらの通りも、新町の街並みを構成する重要な要素です。

新町の歴史

新町は、1671年に町立てされ、その後、弘前藩主の宿泊所である青森御仮屋が建設されました。明治期には、新町小学校や青森師範学校などの学校が建てられました。大正期に入ると、青森駅の正面出口が新町通り側に移動したことで商業地として発展し、昭和初期には青森市随一の繁華街となりました。

1945年の青森空襲でほぼ全焼しましたが、戦後に復興し、再び賑わいを取り戻しました。1968年には住居表示が実施され、新町一・二丁目が成立しました。しかし、平成時代に入ると、郊外店舗の増加により買い物客が減少し、新町通りの転換が迫られました。

まとめ

青森市新町は、歴史と変化が織りなす魅力的な街です。かつての繁栄を偲ばせる街並みと、再開発によって生まれた新たな顔が共存しています。青森駅を訪れた際には、ぜひ新町を散策し、その魅力を体感してみてください。

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