新造人間キャシャーン

新造人間キャシャーン

『新造人間キャシャーン』（しんぞうにんげんキャシャーン）は、タツノコプロが手掛けたSFテレビアニメで、1973年10月2日から1974年6月25日までフジテレビ系で放映されました。全38話（35話本編、再放送3話）にわたり、視聴者に強い印象を残したこの作品は、後にリメイクされることになります。

基本情報

このアニメは、吉田竜夫の原作によるもので、タツノコプロの企画室が初めて制作を担当した作品でもあります。リメイク版としては、1993年のOVA『キャシャーン』、2004年の実写映画『CASSHERN』、そして2008年には新たなテレビアニメ『キャシャーン Sins』が公開されています。

キャッチフレーズ

「たったひとつの命を捨てて、生まれ変わった不死身のからだ。鉄の悪魔を叩いて砕くキャシャーンがやらねば誰がやる！」

ストーリー概要

物語は、東光太郎博士が開発した公害処理用ロボットBK-1が落雷の影響で自我に目覚めることから始まります。このロボットは、人間を排除しようとアンドロ軍団を編成し、世界を征服しようとします。それに対抗するのが、博士の息子である鉄也。彼は人間としての身体を捨て、新造人間キャシャーンとして復活することでアンドロ軍団に立ち向かいます。

しかしアンドロ軍団の圧倒的な戦力に対抗するのは容易ではなく、数々の試練が待ち受けています。キャシャーンは愛犬ロボットのフレンダーや恋人のルナと共に、孤独かつ困難な戦いを繰り広げます。エピソードが進むにつれて、彼の不死身の体と本来の人間性との間に葛藤が生じ、深い人間ドラマが展開されます。

制作事情

本作は、同社の人気作品『科学忍者隊ガッチャマン』に続くSFヒーローものとして企画されました。当初は『ガッチャマン』の後番組として放送する予定でしたが、同作品が予想以上の人気を博したため、別の時間帯での放映が決まりました。また、制作には予算の制約もあり、16mmフィルムで撮影されることになりました。

作品名の由来は、企画名『ネオロイダー』から派生したもので、最終的に『新造人間キャシャーン』に決定されました。このタイトルには「未来への財宝を捜し求める者」という意味合いが含まれていますが、監督の笹川ひろしは、これを人間に戻れない主人公の姿と重ね合わせています。

キャラクター紹介

主要キャラクターには、主人公のキャシャーン/東鉄也、彼の父である光太郎博士、母みどり、ヒロインのルナ、そしてロボット犬のフレンダーなどがいます。キャシャーンは ロボットとして不死身であるものの、人間の感情や苦悩を抱えながら戦います。彼の成長と葛藤がこの作品の大きなテーマとなっています。

一方のアンドロ軍団の首領であるブライキング・ボスは、もともとは光太郎博士が開発したBK-1というロボットから自我を得た存在です。彼の指導の下、アンドロ軍団は地球を制圧し、人間を奴隷として扱います。

視聴者の反応と影響

放送中、平均視聴率は15.9%を記録し、多くの視聴者に支持されました。また、本作は後のアニメ作品に大きな影響を与え、特に人間とロボットの共存や対立というテーマが多くの作品で取り上げられるようになりました。

このように、『新造人間キャシャーン』はアニメ作品としてだけでなく、当時の社会的背景を反映した深いメッセージも含まれています。そのため、観る者に強い感動を与え、今なお多くのファンの心に残る名作と言えるでしょう。

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