新進棋士奨励会

新進棋士奨励会とは

新進棋士奨励会（しんしんきししょうれいかい）は、日本将棋連盟が運営するプロ棋士養成のための機関です。一般には奨励会（しょうれいかい）と称され、次世代の棋士の育成を目的としています。この奨励会は東京と大阪に拠点を構え、棋士の指導や後進の育成に取り組んでいます。記事では奨励会の構成や成り立ち、また、奨励会に続く研修会の役割などについて詳しく見ていきます。

概要

奨励会は、棋士としてプロ入りするための法律を設け、その下で運営が行われています。棋士になるための昇級・昇段規定があり、三段から六級までのクラスに分かれています。三段までの棋士は、通常の試験をクリアし、規定の成績を収めることで四段に昇段することができます。

奨励会は関東と関西に分かれており、それぞれで対局が行われています。二段以下の棋士は、月に2回実施される例会で対局し、三段は半年ごとにリーグ戦を行います。このリーグ戦では、上位の棋士が四段に昇段するチャンスが与えられます。

また、奨励会とは別に「研修会」という機関も設けられており、子供たちに将棋を学ぶ場を提供しつつ、将来的に奨励会へのステップアップを目指しています。研修会では、入会した研修生が特定の条件を満たすと、奨励会が認めるクラスに編入することが可能です。特に女性の研修生には女流棋士の資格を得るための特典が用意されています。

歴史

新進棋士奨励会は1928年に創設され、その当初は「手合会」として知られていました。東京で行われた第1回手合会には、名誉十段や会長職を経験した棋士たちも参加していました。この会はその後日本将棋連盟の附属機関となり、関西にも同様の奨励会が設立されました。その後、規定の見直しや新しい制度の導入が行われ、現在の形に至っています。

第二次世界大戦後も奨励会は復活し、棋士としての昇格システムが整備されました。奨励会の運営が現在に至るまで進化してきたことは、棋士達にとって大きな意義を持っています。

奨励会と研修会の関係

奨励会への入会には通常、棋士からの推薦が必要ですが、研修会からの昇級者は優遇措置として一次試験を免除される場合もあります。これにより、研修会で実力を蓄えた若い世代がスムーズに奨励会入りを果たすことができるようになっています。

また、女流棋士も奨励会に参加する権利があり、女流棋士としての資格を得るための条件が整えられています。過去には、女性棋士が奨励会に参加し、プロ棋士として活動をする例も見られます。この仕組みは、将棋界全体を活性化させる役割を果たしています。

現状と未来

現在の奨励会は、棋士志望者にとって非常に厳しい競争の場となっており、弁護士や医師を目指す学生が受験する難関校と見なされています。毎年行われる試験は多くの参加者が挑戦し、実力を証明した者だけが次のステージに進める厳しいものです。

今後も、奨励会は新しい施策を考慮しながら、より良い棋士育成にこだわり続けることが期待されています。そして、将棋界の発展に寄与する存在であり続けることを目指しています。

もう一度検索