族 (分類学)

族とその命名規則

族（ぞく）は、生物の分類において重要な階級であり、主に動物学で使用されています。これに対し、植物学や細菌学での対応する階級は「連（れん）」と呼ばれます。族はリンネ式階層分類の一部であり、科の下位区分として定義されています。これは、動物が持つ多様な分類体系において、亜科の下、属の上に位置する補助的な階級です。

動物における族

国際動物命名規約第4版によると、族は科階級群の一つで、亜科よりも低い位置に設定されています。このため、族の下には亜族（あぞく）が存在します。亜族もまた科階級群であり、族よりは一段階低い分類です。また、科階級群は柔軟性があり、亜科の下に上族（じょうぞく）を設けることも可能ですが、これは規約では言及されていない用語です。

同位の原理に基づき、族や亜族のタクソンは他の科階級群と同時に設定されたこととなります。そのため、階級ごとの学名は同一の著者及び日付を持ちます。

族の学名の付け方

族の学名は、分類される属の名前に特定の接尾辞を加えることで形成されます。族の場合は「-ini」という接尾辞が用いられ、亜族は「-ina」となります。例えば、ヒト属（Homo）に基づくヒト族は「Homini」、ヒト亜族は「Homina」となります。この接尾辞の規則は科階級群のみに適用され、属や種の階級群においては同じ綴りを持つことが許可されています。

植物、菌類、原核生物における連

一方、植物や菌類の命名規則では、族が連と呼ばれます。日本語版の国際藻類・菌類・植物命名規約（ICN 2018）や国際原核生物命名規約（ICNP 2022）においても、連は二次ランクの一つとして位置づけられています。これに対して、亜連（あれん）という階級が下位に設けられ、こちらには「sub-」という接頭辞が付けられます。亜連の略語は「subtr.」とされます。

ICNでは、連が科の下位区分であり、亜科や亜連は相対的に定義されないため、連や亜連は科と属の間に位置します。複雑な生物の分類体系の中で、これらの区分は理解を深めるための重要な要素です。

連の学名の形成

ICNに従えば、連や亜連の学名は属の学名を基にしており、その属名の属格単数形に適した語尾を置き換えて作られます。この過程により、学名は実用的かつ一貫した形で付けられます。例えば、イネ科の例を挙げると、PoaceaeのタイプであるPoaから、Poeae（連）やPoinae（亜連）といった名称が付けられます。

不適当な語尾が使用された学名は、著者の引用や日付を変更せずに適切な語尾に修正されます。ICNでは、必要に応じて新しい科の下位区分が設立されるものの、同位の原理は存在しません。そのため、新設時には適切なランクでの合法名が求められます。

まとめ

このように、族や連としての生物分類は、動植物の多様な世界を理解するうえで欠かせない知識です。正確な命名規則に従うことで、学術的なコミュニケーションが円滑に行われ、分類の重要性が強調されます。この分類体系は、生物学における科学的な研究や教育にも広く利用されています。

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