日吉町 (京都府)

日吉町

概要

かつて京都府の中部、船井郡に属していた自治体、日吉町（ひよしちょう）は、2005年12月31日まで独立した行政区域として存在していました。その後、地方自治体としての歴史は幕を閉じ、翌2006年1月1日には、園部町、八木町、そして北桑田郡美山町との合併により、新たな市である南丹市が誕生しました。この合併に伴い、日吉町は廃止されましたが、その区域は現在も南丹市の地名として引き継がれ、地域の一部を構成しています。

地理

旧日吉町の区域は、京都府の中部地域に位置しており、豊かな自然環境に恵まれています。周囲にはいくつかの山々がそびえ、主なものとして黒尾山、大向山、丸山などが挙げられます。地域内を流れる河川も多く、中世木川、木住川、胡麻川、畑郷川、田原川などが流れ、特に桂川（この地域では大堰川とも呼ばれます）は重要な水系となっています。また、日吉ダムの建設によって生まれた天若湖は、この地域の象徴的な存在であり、周辺の景観に彩りを添えています。

歴史

沿革

日吉町の行政区域は、1955年（昭和30年）4月1日に、それまでの五ヶ荘村、胡麻郷村、世木村の3つの村が合併して誕生しました。その後、およそ半世紀にわたって独立した町として運営されてきましたが、地方自治体再編の流れの中で、2006年（平成18年）1月1日に園部町、八木町、北桑田郡美山町と合併し、新たに発足した南丹市の一部となり、町としての歴史に終止符を打ちました。

平安時代のつながり

この地域は古くから歴史に登場しています。平安時代の後期、保元の乱や平治の乱で武功を挙げた武将、源頼政は、1158年（保元3年）に後白河天皇から、五ヶ荘を含む丹波の地を領地として賜りました。この五ヶ荘は、現在の日吉町にあたる地域であったと伝えられており、源頼政によるこの地域の領有は22年間に及びました。これにより、日吉町の地は平安時代の歴史とも深いつながりを持っています。

教育機関

旧日吉町区域には、地域の教育を支える複数の学校や大学が所在しています。小学校としては、南丹市立殿田小学校（現在の南丹市日吉町殿田に所在し、略称は「殿小」）、南丹市立胡麻郷小学校（現在の南丹市日吉町胡麻に所在し、略称は「胡麻小」）があります。中学校は南丹市立殿田中学校（現在の南丹市日吉町殿田に所在し、略称は「殿中」）が置かれています。また、高等教育機関として、明治国際医療大学（現在の南丹市日吉町保野田に所在し、「鍼灸大」とも呼ばれます）が立地しており、多くの学生が学んでいます。

交通

旧日吉町区域を通る交通網は、地域の住民生活や産業、観光にとって重要な役割を果たしています。

鉄道

地域を縦貫する鉄道路線として、西日本旅客鉄道（JR西日本）の山陰本線が挙げられます。区域内には、日吉駅（かつての名称は殿田駅）、鍼灸大学前駅、そして胡麻駅の3つの駅が設置されており、京都市内などへのアクセスを提供しています。

道路

主要な道路としては、京都府道がいくつか通っています。京都府道19号園部平屋線、京都府道50号京都日吉美山線、京都府道78号佐々江下中線、京都府道80号日吉京丹波線、京都府道364号中地日吉線、京都府道443号佐々江京北線、京都府道445号富田胡麻停車場線などが整備されており、周辺地域との連絡や物流を支えています。

旧日吉町の区域は、合併により南丹市の一部となった現在も、豊かな自然、歴史的な背景、そして整備された教育・交通インフラを備えた地域として、その個性を保ち継いでいます。

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