日吉神社 (岡崎市中金町)

日吉神社（ひよしじんじゃ）

日吉神社は、愛知県岡崎市中金町に位置する神社です。豊かな自然に囲まれた場所にひっそりと佇み、地域の人々の心の拠り所となっています。

概要

創建時期は定かではありませんが、寛平3年（891年）に近江国坂本山王（現在の日吉大社）から勧請されたという伝承があります。長い歴史の中で、地元の人々によって大切に守り継がれてきました。明治5年（1872年）には村社に列せられ、明治10年（1877年）には若宮社、八幡社、秋葉社、天神社、津島社、稲荷社など、複数の社が合祀されました。

祭神

日吉神社の祭神は以下の通りです。

大山昨命（おおやまくいのみこと）
仁徳天皇（にんとくてんのう）
応神天皇（おうじんてんのう）
迦具土命（かぐつちのみこと）
菅原道真公（すがわらのみちざねこう）
須佐之男命（すさのおのみこと）
保食命（うけもちのみこと）

社殿

本殿は、桁行1間、梁間1間の一間社流造で、屋根はこけら葺です。棟札によれば、貞享4年（1687年）に宝飯郡牛久保村（現在の豊川市）の岡田権右衛門尉藤原盛次と額田郡中金村の竹下三右衛門藤原家次によって建立されたとされています。拝殿と幣殿は、明治42年（1909年）9月1日に棟梁の岡田米次郎によって建てられました。

秋の例大祭

日吉神社の秋の例大祭は、現在10月第2日曜日に開催されます。この祭りの特徴は、金的奉納の祭礼弓が行われることです。金的が上がらないと神輿渡御のお練り行列が出発できないという独特の習わしがあります。神輿は担ぎ手不足のためトラックに載せられ、山中に祀られている若宮社まで渡御します。

祭りに参列する獅子は「暴れ獅子」と呼ばれ、観客の頭を幣で叩きながら境内を走り回ります。時には子供を追いかけることもあるため、その勇猛な姿は観客を沸かせます。山中への入口の道路に面した場所には石製の神輿台があり、神輿は一旦この台に据えられ、獅子頭とともに祈祷を受けます。その後、還御となり、16時頃には神社へ帰着します。

まとめ

日吉神社は、地域の歴史と文化を今に伝える貴重な存在です。秋の例大祭をはじめ、様々な祭事を通じて、地域住民の交流の場ともなっています。岡崎市を訪れた際には、ぜひ日吉神社に足を運んでみてください。

参考文献

『額田町史』 額田町史編集委員会、1986年11月1日。

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