日向 (戦艦)

戦艦日向の概要

「日向（ひゅうが）」は、大日本帝国海軍の伊勢型戦艦の二番艦であり、戦艦としての艦籍を持ちながらも、太平洋戦争中には航空戦艦へと改造されました。艦名は宮崎県の旧国名に由来し、艦内には宮崎神宮からの分神を祀る神社が設置されています。この艦名は帝国海軍ではこの艦のみが持ち、戦後には同名の護衛艦が海上自衛隊で運用されることとなりました。

艦歴の初期

日向は1914年10月12日に仮称艦名第六号戦艦として命名され、1915年に三菱造船所で起工しました。1917年には進水し、1918年に完成、正式に「軍艦 日向」として竣工しました。当初は扶桑型戦艦の4番艦としての着工が予定されていましたが、財政上の理由から、その建造は大幅に遅れました。その結果、扶桑型の欠点を改善したデザインとなり、主砲の位置も変更されました。最初の艦長には後に連合艦隊司令長官になる豊田副武が就任しました。

任務と戦歴

日向は竣工後、第一艦隊第一戦隊に配属され、1940年には満州国の康徳帝の訪問中の座乗艦としても使用されました。太平洋戦争の開戦時には伊勢と共に第一艦隊第二戦隊で戦隊旗艦を務めました。

この艦は就役後すぐに、1919年に房総沖で演習中に第3砲塔が爆発するという事故が発生しました。その後も1924年には第4砲塔で火災が起こり、1942年には伊予灘での演習中に第5砲塔が爆発し事故を引き起こしました。この事故では55名が死亡し、8名が重傷を負う事態となり、艦内では大きな反響を呼びました。後の調査によると、主砲弾装填中の不具合が原因で、弾丸が逆流する形で爆発に至ったとされています。

航空戦艦への改装

日本海軍は空母戦力の不足を補うため、扶桑型及び伊勢型戦艦の航空戦艦改装を決定しました。日向は主砲の一部を撤去し、航空機用の格納庫と飛行甲板を設けることで、航空戦艦としての機能を持つようになります。この改装は1943年に着手され、同年11月には完成しました。

戦局の変化と日向の運命

航空戦艦となった日向は、戦局の変化と共に様々な任務に従事しましたが、最終的には1945年の呉軍港空襲で大きな被害を受けることとなります。日本に戻った日向は、その後も浮砲台となり、艦長を含む多くの乗組員が命を落としました。1947年に解体が完了し、その艦歴を終えることとなりました。

まとめ

日向は多くの戦歴を持ちつつも、事故や戦局の変化に翻弄され、最終的に歴史の舞台から姿を消しました。その艦姿は、現代まで多くの資料や映像として残されています。日向に装備されていた航海灯や軍艦旗は広島の大和ミュージアムで見ることができ、戦艦の日向が持つ歴史的な重要性を今に伝えています。

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