日射量

日射量について

日射量とは、[太陽]]から放射されるエネルギーの量を測定したものです。具体的には、単位面積あたりに単位時間で太陽から受け取る放射エネルギーの量を示し、放射照度を測定していることになります。一般的には、キロワット毎平方メートル]や[ワット毎[[平方メートル]といった単位が用いられます。

日射量の種類

日射量は、大きく分けて以下の3種類に分類されます。

1. 直達日射量
- 太陽の光球から直接届く日射量のことで、いわゆる「直射日光」を指します。
- 測定には、筒状の直達日射計が用いられ、太陽を追尾しながら測定を行います。
- 太陽光線の入射方向と直交する面で測定されるため、水平面で測定される散乱日射量や全天日射量とは異なります。
- 測定には、赤道儀や自動追尾装置が用いられ、常に太陽の方向を向くように調整されます。
- 直達日射計の開口角は、太陽の視野角よりも若干広めに設計されているのが一般的です。

2. 散乱日射量
- 大気中の分子や雲粒によって散乱された太陽光による日射量のことで、太陽以外の方向から届く光です。
- 測定には、太陽光を遮蔽しながら全天日射計で測定します。
- 全天日射計は水平に設置されるため、水平面での放射照度として測定・記録されます。

3. 全天日射量
- 全天空からの日射量のことで、直達日射量（水平面換算）と散乱日射量の合計に相当します。
- 測定には、水平に設置された全天日射計を用いるのが一般的です。
- 全天日射計は半球状のガラスドームを持つため、照射角度によって測定値が変わる特性があります。
- 全天日射計の特性による誤差を軽減するため、直達日射計と全天日射計を組み合わせて測定する方法も用いられます。

その他の日射量

上記以外にも、以下のような日射量が測定されることがあります。

反射日射量
- 雲や地表面で反射された日射量のことです。
- 全天日射量と反射日射量から、物体表面の反射率（アルベド）を計算できます。
傾斜面日射量
- 傾斜面に設置された日射計で測定される日射量のことです。
- 太陽電池パネルが受ける日射量や、建物などの傾斜面での日射量を測定する際に用いられます。

照度との違い

光の量を測定する概念として照度（単位：ルクス）がありますが、日射量とは異なります。

照度
- 人間の目の感度に合わせて、光の明るさを表した量です。
- 照明業界などで広く用いられます。
日射量
- 波長による重み付けは行わず、太陽から受けた光のエネルギー量を測定します。

観測網

直達日射量

世界的には、BSRN(Baseline Surface Radiation Network)が知られています。
観測データはWRDC(World Radiation Data Center)で入手できます。
日本では、気象庁が全国14箇所で観測を行っています。

全天日射量

日本では、約60ヶ所の気象台・測候所、約90ヶ所の特別地域気象観測所で観測されています。
観測データは気象庁ホームページで公開されています。

まとめ

日射量は、太陽光エネルギーの利用や気象現象の把握に不可欠なデータです。直達日射、散乱日射、全天日射など、目的に応じて適切な日射量を測定・活用することが重要です。

参考文献

気象庁
WRC（世界放射センター）
BSRN

関連項目

日照
日照時間
照度
光度 (光学)
太陽放射
日射計

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