日岡古墳

日岡古墳の概要

日岡古墳（ひのおかこふん）は、福岡県うきは市吉井町若宮に位置する古墳で、その形は前方後円墳です。この古墳は若宮古墳群の一部として知られており、国の史跡にも指定されています。

古墳の位置と形状

この古墳は、筑後川の南岸に広がる台地の上に築かれており、周囲は月岡古墳や塚堂古墳とともに若宮古墳群を形成しています。古墳の墳形は前方後円形で、主軸を東西に持ち、前方部は西向きに設置されています。周囲には一重の周濠が存在し、外部から隔てられています。

埋葬施設と装飾

埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、南西に開口していましたが、現在は羨道部が封鎖されています。石室は単室構造で、玄室と羨道から構成され、特に装飾が施されています。石室の中には、赤・白・緑の顔料を用いて描かれた6つの大型同心円文が玄室の奥壁に配置され、また他にも幾何学的文様や具象的な図形が壁面全体に描かれています。

発掘の歴史

日岡古墳は1887年（明治20年）に発掘され、この際に石室内の装飾が初めて明らかにされました。その後、発掘された馬具片についても観察が行われました。長い間、石室は修理がなされつつ閉鎖されており、1928年（昭和3年）には国の史跡に指定されました。

1964年（昭和39年）には、コンクリート製の覆屋が設置され、現在ではこの中で石室が保存されています。ただし、覆屋自体への立ち入りは制限されており、毎月第3土曜日に限って古墳見学が公開されています。

墳丘の特長

日岡古墳の墳丘は、長さ約74メートル、後円部の直径が約40メートル、前方部の幅は約35メートルです。この規模は古墳時代のものであり、特に後期の6世紀初頭頃に築造されたと考えられています。若宮古墳群の中では、月岡古墳・塚堂古墳に次ぐ最後の首長墓であるため、古墳時代の社会構造を探る上でも重要な位置づけにあります。

文化的意義

日岡古墳は、代表的な装飾古墳の一つとされており、特に壁画から見る古墳時代の装飾文化について考察する際に重要な資料となります。そのため、考古学や歴史学の分野での研究が進められています。

現在の保護と展示

日岡古墳の石室は「吉井歴史民俗資料館」において展示されている出土品と共に、その文化的背景が紹介されています。このように、日岡古墳はただの埋葬施設に留まらず、地域の文化や歴史を理解するための重要な資源とされています。

参考資料

日岡古墳に関する情報は、いくつかの文献や調査報告書に基づいています。これらの資料は、古墳の研究を深めるための基盤となっており、歴史学者や考古学者にとって貴重なリソースとされています。

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