日本 (アルバム)

アルバム『日本』の概要

チューリップの6枚目のアルバム『日本』は、1975年12月1日にリリースされました。この作品は、バンドとしてのプロgressionを保ちつつ、当時の日本の情景や物語を巧みに織り交ぜた楽曲が印象的で、聴く者に深い感慨を与えます。また、アルバム制作にはこれまで編曲を担当していた青木望が外れ、代わって山木幸三郎が1曲のみ編曲を手掛けています。

ジャケットとその意味

アルバムジャケットは、日の丸を意識した料理と西洋風のナイフとフォークが特徴です。このデザインは、当時の日本文化に対する考察でもあり、聴衆に様々なメッセージを送っています。裏ジャケットにはメンバーのマグショット風の写真や指紋、手書きの数字とともに曲目が掲載されており、アート面でも工夫が凝らされています。

全国ツアーとの連動

アルバムのリリースと同時期に、チューリップは解散以来初となる本格的な全国ツアー『'75 全国縦&横断ツアー Live act TULIP』を行いました。ツアーの最終公演では、アルバムのテーマに合わせて国旗が配られ、多くのファンに感動を与えました。

収録曲の紹介

アルバムはA面とB面に分かれており、それぞれに異なる物語が展開されています。

A面

• - せめて最終電車まで: 迫力ある電車の音とともに幕を開け、初期のヒット曲『電車』を彷彿とさせます。
• - ぼくのお話: 街のさまざまな視点から描かれ、ユニークな表現が光ります。
• - 木馬: 擬人化された木馬が登場し、メルヘンと人間の生きづらさを同時に感じさせる歌。財津と姫野のボーカルの掛け合いが印象的です。
• - タイピスト: 夢を失ったタイピストの心の痛みを描いた楽曲です。
• - あいつのどこがいいんだ: 恋のライバルに対する嫉妬を歌った作品。発表当初はあまり評価されなかったようです。
• - あのバスを停めて!: ライブでは財津が主に担当し、独特なイントロが魅力的です。

B面

• - あこがれ、花の東京: タクシー運転手からのクレームが出るほどの期待の曲ですが、ライブでは定期的に演奏されました。
• - 届かぬ夢: 一部に演奏ミスが残る貴重なテイクが収録されています。
• - 都会: 高音パートの難易度の高さが歌詞に色濃く反映されています。
• - そんなとき君がいれば: ボーカルにエフェクトがかかり、独特な感触を与えています。
• - 甲子園: 10分以上の大作で、全メンバーが参加し、歓声から始まる劇的な内容が展開されます。

最後に、このアルバムは『君が代』のオーケストラバージョンで締めくくられています。

クレジットと制作背景

アルバムの企画には多くのスタッフが関与しており、アートや音楽〜技術面での素晴らしい努力が凝縮されています。チューリップの音楽は当時の日本の音楽シーンに大きな影響を与え、多くのファンに愛され続けています。

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