日本とキルギスの関係

日本とキルギスの関係

日本とキルギスは、中央アジアに位置するキルギスが旧ソ連から独立した1991年以降、友好関係を深めてきました。両国は、互いの国に大使館を設置し、要人往来や経済協力を通して関係を強化しています。

歴史

日本は、1991年12月28日にキルギスを国家承認し、1992年1月26日に外交関係を樹立しました。その後、日本はキルギスに対してODA（政府開発援助）を積極的に行い、両国関係は着実に進展しました。1995年には、市場経済化を促進するための人材育成を目的とした「キルギス日本人開発センター」がビシュケクに開設されました。2003年1月には在キルギス日本大使館、2004年4月には在日キルギス大使館が開設されました。

1999年には、キルギス南部で日本人鉱山技師が武装勢力に誘拐される事件が発生しました。この事件を受け、日本政府は現地対策本部を設置し、キルギス政府と協力して事件解決に尽力しました。鉱山技師は無事解放されましたが、この事件は中央アジアにおけるカントリーリスクを再認識する契機となりました。

要人往来

キルギスからは、過去に複数回大統領が訪日しており、首脳会談を通じて経済協力の深化や外交関係の緊密化が図られています。また、首相も何度か訪日しており、経済協力に関する「日本キルギス経済合同会議」も開催されています。

一方、日本からは、2015年に当時の安倍晋三総理大臣がキルギスを訪問し、首脳会談を行いました。この会談では、アフガニスタン情勢、ISIL、北朝鮮核問題、過激主義などの国際的な課題について意見交換が行われたほか、シルクロードの保護、水資源や麻薬問題に関する協力について話し合われました。

経済・文化

経済面では、日本はキルギスに対して多額の経済支援を行っており、その総額は米国、ドイツに次ぐ規模となっています。この背景には、キルギスが観光資源や農畜産物生産に適した気候、高い教育水準を持つ労働力を有していることが挙げられます。キルギス自身も、貿易や投資を促進し、中央アジアの拠点化を目指しています。

貿易面では、日本からキルギスへの輸出額は輸入額を大きく上回っており、日本の大幅な黒字となっています。輸出品は一般機械やゴム製品、輸入品は糖類、はちみつ、植物性原材料などです。

文化面でも日本はキルギスに対して支援を行っており、柔道器材の整備や日本語学習環境の改善、サッカー競技場の整備など、様々な分野で協力が行われています。また、キルギスでは高等教育の場で日本語教育が行われており、日本文化の発信にも努めています。

2023年には、あるTV番組でキルギスの政治家が「昔、魚が好きだった民族が東へ行って日本人になり、肉が好きだった民族が西へ行ってキルギス人になったという伝承がある」と紹介しました。

外交使節

駐キルギス日本大使館と駐日キルギス大使館がそれぞれ設置され、両国間の外交関係を円滑に進めるための活動を行っています。

まとめ

日本とキルギスは、政治、経済、文化など幅広い分野で良好な関係を築いています。両国は、今後も互恵的な関係を維持・発展させていくことが期待されます。

参考資料

外務省: キルギス共和国（Kyrgyz Republic）基礎データ

関連項目

日本の国際関係
* 在日キルギス人

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