日本とバヌアツの関係
日本とバヌアツの関係
日本とバヌアツの関係は、太平洋地域における両国の協力と交流を象徴するものです。ここでは、両国の歴史、外交、経済、文化における関係について詳しく解説します。
両国の比較
バヌアツは、南太平洋に位置する島嶼国であり、その地理的な位置から、歴史的に様々な影響を受けてきました。一方、日本は東アジアに位置する大国であり、両国間には地理的、文化的、経済的に大きな違いがあります。
歴史
太平洋戦争
太平洋戦争中、バヌアツは直接的な戦火を免れましたが、その地理的戦略上の重要性から、連合国と日本双方にとって重要な拠点となりました。特に、エスピリトゥサント島には海軍基地が建設され、後方支援の要として機能しました。
外交史
バヌアツは、フランスとイギリスの共同統治を経て、1980年に独立しました。日本は独立を迅速に承認し、同年7月には独立式典に特派大使を派遣しました。1981年1月には正式な外交関係が樹立され、1993年には東京にバヌアツ名誉領事館が開館しました（2003年に閉館）。
日本は長らく在フィジー日本大使館がバヌアツを兼轄していましたが、2018年にはポートビラに兼勤駐在官事務所を開設、2020年1月には在バヌアツ大使館が開設され、兼轄は解消されました。
外交
独立以来、日本はバヌアツに対して開発援助などを通じて友好的な関係を築いてきました。
バヌアツ要人の訪日
バヌアツの要人は、過去に何度も日本を訪問し、両国間の友好関係を深めています。初代首相のウォルター・リニは、1984年、1990年、1991年の三度にわたり訪日し、その後も多くの首相や要人が太平洋・島サミットなどの機会に訪日しています。これらの訪問では、首脳会談や閣僚会談が行われ、両国間の協力関係や共通の課題について意見交換が行われました。
日本要人のバヌアツ訪問
日本からは、1987年に外務大臣の倉成正がバヌアツを訪問しました。これは現在までで唯一の大臣級の訪問です。近年では、2010年に外務大臣政務官が、2011年には参議院議員団がバヌアツを訪問し、2015年には外務大臣政務官がサイクロン被害の視察と支援を約束、2019年には外務大臣政務官が再びバヌアツを訪問しています。
経済交流
日本は、バヌアツに対して無償資金協力や技術協力を行っており、2017年までの累計で約300億円の援助を実施しています。これは、オーストラリアやニュージーランドに次ぐ規模です。主な援助プロジェクトには、ポートビラ港の整備、ビラ中央病院の改善、サイクロン被害からの復旧などが含まれます。
貿易関係では、2019年の対バヌアツ貿易は日本の輸入超過であり、これは日本がマグロやカツオなどの水産物をバヌアツから輸入していることが大きな要因です。
文化交流
両国間の文化交流を促進するため、「特定非営利活動法人 日本バヌアツ親善協会」が設立され、両国の交流窓口となっています。また、2020年に開館した在バヌアツ日本国大使館は、日本政府奨学金留学生の募集・選考を実施し、教育・学術面での交流を促進しています。
外交使節
脚注
関連項目
外部リンク
- - 在バヌアツ日本国大使館
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。