日本とモンテネグロの関係

日本とモンテネグロの関係

日本とモンテネグロの二国間関係について、歴史的背景から現状、今後の展望までを詳細に解説します。

1. 概要

日本は2006年6月16日にモンテネグロの独立を承認し、同年7月22日に外交関係を樹立しました。モンテネグロは、バルカン半島に位置する小国であり、日本にとってはヨーロッパにおける重要なパートナーの一つです。日本政府は、西バルカン地域の平和と安定を重視しており、モンテネグロを含む同地域の国々との関係を強化しています。2024年には、モンテネグロが東京都に常駐大使館を開設することが発表されており、両国関係は今後ますます緊密になると期待されます。

2. 歴史

2.1. 日露戦争との関わり

1904年から1905年にかけての日露戦争において、当時のモンテネグロ公国はロシアの管理下にあり、日本に宣戦布告しました。モンテネグロは義勇兵を満州に派遣しましたが、実際には戦闘に参加しなかったため、その宣戦布告は事実上無視されました。この歴史的な経緯から、1918年にモンテネグロ公国が消滅した後も、国際法上は日本とモンテネグロが戦争状態にあるという奇妙な状況が生まれました。しかし、日本政府は公式にモンテネグロからの宣戦布告を認識しておらず、2006年の衆議院議員の質問主意書に対する答弁書において、「千九百四年にモンテネグロ国が我が国に対して宣戦を布告したことを示す根拠があるとは承知していない」と回答しています。

2.2. モンテネグロ独立と関係樹立

2006年6月3日、モンテネグロは独立を宣言しました。日本政府は、6月16日にこれを承認し、山中燁子外務大臣政務官を総理特使として派遣しました。一部報道では、特使が独立承認とともに日露戦争の休戦を伝える予定だと報道されましたが、日本国外務省は公式にはこのような情報を発表していません。

3. 経済

3.1. 貿易

2013年時点のデータでは、日本とモンテネグロ間の貿易額は以下の通りです。

対モンテネグロ輸出額：17.7億ユーロ
対モンテネグロ輸入額：3.8億ユーロ

日本の主要輸出品目は、食料品、石油・石油精製品、電力、自動車、非鉄金属製品などです。一方、日本への主要輸出品目は、非鉄金属、金属鉱石・金属くず、飲料、鉄鋼、木材・木材加工品となっています。モンテネグロは、EU内では日本との貿易額が12番目に多い相手国です。

4. 人口

4.1. 在留モンテネグロ人

2019年10月時点で、日本国内には27名のモンテネグロ人が在留しています。

5. 外交使節

5.1. 駐モンテネグロ日本大使

駐セルビア日本大使が兼轄しています。

5.2. 駐日モンテネグロ大使

ヨバン・ミルコビッチ氏が本国常駐で大使を務めています（2016年～）。

6. その他の情報

6.1. 参考文献

Batrićević, Đuro. (1996年). Crnogorci u rusko-japanskom ratu (Montenegrins in the Russo-Japanese War). Cetinje: Obod.
Batrićević, Đuro. (1994年). Dr Anto Gvozdenović: general u tri vojske. Crnogorci u rusko-japanskom ratu (Dr. Anto Gvozdenovic: General in Three Armies; Montegegrans in the Russo-Japanese War) Cetinje: Obod.

6.2. 関連項目

日本の国際関係
モンテネグロの国際関係

6.3. 外部リンク

モンテネグロ政府
モンテネグロ政府（モンテネグロ語、英語）
モンテネグロ大統領府（モンテネグロ語、英語）
日本政府
日本外務省 - モンテネグロ
在セルビア日本国大使館 - 在モンテネグロ大使館を兼轄
駐日モンテネグロ名誉領事館
Tighter bonds with the Japanese（英語）

7. まとめ

日本とモンテネグロは、歴史的な背景を持ちながらも、2006年の外交関係樹立以降、様々な分野で関係を深めています。今後の両国関係の更なる発展が期待されます。

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