日本とモーリシャスの関係

日本とモーリシャスの関係

日本とモーリシャスは、1968年のモーリシャス独立と同時に国交を樹立しました。長らく、在マダガスカル日本大使館がモーリシャスを兼轄していましたが、2017年に首都ポートルイスに在モーリシャス日本国大使館が開設され、二国間関係は新たな段階に入りました。

両国の比較

モーリシャスは、アフリカの中でも民主主義が確立している数少ない国の一つです。また、一人当たり名目GDPはアフリカで最も高い水準にあり、金融センターとしての機能も持ち合わせています。一方、日本は東アジアに位置する先進国であり、経済規模や技術力においてモーリシャスを大きく上回っています。

歴史

両国の関係は、モーリシャス独立と同時に始まりました。2000年代以降、要人往来が活発化し、2019年にはモーリシャスのジュグノート首相が訪日しました。日本は、モーリシャスをアフリカにおける投資拠点として重視しており、大使館開設もその一環です。

経済・貿易関係

モーリシャスは、アフリカの投資拠点としての地位を確立することを目指しています。日本は、今後のアフリカ投資において、インド洋における中継地としての潜在性をモーリシャスに見込んでいます。貿易関係においては、日本からの輸出額がモーリシャスからの輸入額を大幅に上回る状況です。日本の主要な輸出品は自動車や機械類で、モーリシャスからはマグロなどの魚介類や衣類が輸入されています。モーリシャスにとって日本は、フランス、オーストラリアに次ぐ第三位の援助国であり、経済協力は両国関係の重要な柱となっています。

環境・防災関係

環境問題では、気候変動対策や防災分野で両国間の協力が行われてきました。しかし、2020年にはモーリシャス沖でわかしお座礁事故が発生し、大量の重油が流出しました。この事故は、モーリシャスの豊かな生態系に深刻な被害をもたらし、経済や食料安全保障、健康にも大きな影響を与えました。日本は、この事故を受けてモーリシャスを支援し、商船三井は10億円の拠出を行うなどの対応をしました。また、日本の運輸安全委員会も現地に調査隊を派遣し、事故原因の究明に努めました。

外交使節

駐モーリシャス日本大使
2017年の大使館開設までは、在マダガスカル大使が兼轄していましたが、現在は特命全権大使が常駐しています。

駐日モーリシャス大使
駐日モーリシャス大使館は、在オーストラリアモーリシャス高等弁務官事務所が兼轄しています。

ビジェイ・クーマル・ジョイポール（キャンベラ常駐、1993～2008年）
マリー・フランス・ルセッティー（キャンベラ常駐、2008～2013年）
マリー・フランス・リズィアンヌ・ミレラ・ショーヴァン（キャンベラ常駐、2013～2019年）
クリステル・ソハン（キャンベラ常駐、2019～2023年）
マリー・クレア・ジャン・モンティ（キャンベラ常駐、2023年～）

今後の展望

日本とモーリシャスは、経済協力や環境問題、人的交流など、多岐にわたる分野で協力関係を深めています。わかしお座礁事故のような課題も残されていますが、両国間の協力体制を強化することで、これらの課題を克服し、より強固なパートナーシップを築いていくことが期待されます。

参考文献

モーリシャス共和国（Republic of Mauritius）基礎データ　外務省

関連項目

日本の国際関係
在モーリシャス日本国大使館
在オーストラリアモーリシャス高等弁務官事務所（駐日モーリシャス大使館を兼轄）
わかしお座礁石油流出事故

外部リンク

在モーリシャス日本国大使館
在モーリシャス日本国大使館、同 （英語）

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