日本とレバノンの関係

日本とレバノンの関係

日本とレバノンの関係は、政治、経済、文化など多岐にわたる分野で展開されています。ここでは、両国間の歴史的経緯、外交関係、経済協力、文化交流、そして近年の大きな出来事であるカルロス・ゴーン氏の亡命事件について詳しく解説します。

両国の比較

歴史

外交史

日本とレバノンの外交関係は、1954年に日本がベイルートに公使館を開設したことから始まりました。その後、1959年には大使館に昇格しましたが、レバノン内戦の激化により1986年には大使館が一時閉鎖され、シリアのダマスカスに仮事務所が設置されました。1995年2月には大使館が再開されました。一方、レバノンは1957年に東京に公使館を開設し、1959年に大使館に昇格しています。

カルロス・ゴーンのレバノン亡命

2018年、日産自動車の会長であったカルロス・ゴーン氏は、金融商品取引法違反の容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。その後、特別背任罪でも追起訴され、2019年3月に保釈されました。しかし、保釈条件として海外渡航が禁止されていたにもかかわらず、2019年12月にプライベートジェットでトルコを経由し、レバノンに亡命しました。ゴーン氏は亡命後、「日本の司法制度は不公正であり、人権が無視されている」と主張しました。この事件は、日本とレバノンの間で大きな外交問題となり、日本政府はICPOを通じてゴーン氏の身柄拘束を要請しましたが、レバノンは犯罪人引渡し条約を締結していないため、身柄引き渡しは実現していません。

外交関係

2001年には、レバノンの首相が訪日し、日本の首相との間で首脳会談が行われました。その後も、日本の外務大臣政務官などがレバノンを訪問し、レバノン側要人との間で会談が行われています。また、シリア内戦の影響でレバノンに流入したシリア難民問題についても協議が行われています。日本は、レバノンの安定化に向けた取り組みを支援しており、国際会議にも積極的に参加しています。

経済交流

日本は、2017年までに200億円以上の経済援助をレバノンに対して実施しており、主にシリア難民のための支援や医療設備の拡充に貢献しています。また、2020年のベイルート港爆発事故の際には、日本政府は緊急支援として500万ドルの無償資金協力を行いました。貿易関係では、レバノンは日本からの輸入が輸出を上回る状態が続いています。

文化交流

両国間では、文化交流も活発に行われています。日本文化を紹介するイベントがレバノンで開催されるほか、日本の大学ではレバノンの遺跡をテーマにした講演会や研究会が開催されています。また、国際交流基金による文化事業も展開されており、両国の文化的な相互理解を深めるための活動が行われています。

外交使節

駐レバノン日本大使・公使

駐日レバノン大使

ニダル・ヤヒヤー（2018年～）

脚注

参考文献

レバノン共和国（Lebanese Republic）基礎データ　外務省
黒木 英充 (著・編)『シリア・レバノンを知るための64章 (エリア・スタディーズ123)』 2013/8/28

関連項目

日本の国際関係
レバノンの国際関係
在レバノン日本国大使館
駐日レバノン大使館
在日レバノン人
カルロス・ゴーン

外部リンク

在レバノン日本国大使館
駐日レバノン大使館 （英語）

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