日本におけるウクライナ避難民受け入れとは？意味をやさしく解説

2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、多くのウクライナ国民が国外へ避難を余儀なくされました。日本政府は、この人道危機に対応するため、ウクライナからの避難民に対する受け入れを表明し、特例的な在留資格を設けるなどの支援策を講じています。

- 2022年2月24日: ロシア軍によるウクライナ侵攻が開始。
- 2月26日: 岸田首相がウクライナからの避難民受け入れを表明。
- 3月4日: 外務省がウクライナからの避難民向けに「特例在留資格」を新設。これは、従来の難民認定とは異なり、緊急的な状況下での避難民受け入れを目的とした制度です。
- 3月8日: 特例在留資格による最初の受け入れ開始。
- 3月15日: 政府が、ウクライナからの避難民を最大20万人受け入れる方針を発表。
- 3月16日: ウクライナからの避難民を対象とした「在留資格に関する特例措置」が公布。

特例在留資格は、ウクライナからの避難民が日本に入国後、「難民認定申請」を行うことで、一定期間滞在できる資格です。この制度は、緊急的な避難を必要とする人々を迅速に受け入れることを目的としています。

- 2023年3月までに、約2,000人が特例在留資格を取得。
- 当初、特例在留資格は1年間の有効期限でしたが、2023年3月に1年延長が決定されました。これにより、避難民は日本での滞在期間を延長することが可能になりました。
- 政府は、避難民の雇用促進や日本語教育支援など、生活支援策を講じています。

特例在留資格を取得した避難民は、日本入国後に改めて「難民認定申請」を行うことができます。

- 2023年3月現在、ウクライナからの避難民の難民認定申請数は約2,000件。
- 入国管理局では、個々の申請に基づいて、国際法上の難民認定基準に基づき審査を行っています。難民認定基準は、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団への所属、政治的意見等に基づく迫害を受けるおそれがある場合などが該当します。

日本は、これまで難民受け入れに消極的な姿勢を取ってきた側面があり、ウクライナからの避難民受け入れは、日本にとって新たな課題となっています。

日本政府は、ウクライナからの避難民受け入れに対して積極的に対応し、特例在留資格を導入することで、迅速な支援を行っています。しかし、難民認定を含めた長期的な支援策については、更なる検討が必要です。避難民が日本で安心して生活し、自立できるよう、包括的な支援体制の構築が不可欠です。

- 2022年4月1日、政府はウクライナからの避難民受け入れを進めるための新たな支援策を決定。公益財団法人「アジア福祉教育財団」が当面の滞在場所の提供や生活費の支給を行い、その後、自治体や企業が支援を引き継ぐ形が取られました。
- 4月5日には、政府専用機で20人のウクライナ避難民が日本に到着しました。
- ウクライナ避難民は、戦争による難民ですが、入国管理局は『難民』として分類せず、『ウクライナ避難民』という特別枠を設定しました。
- 避難民は、日本財団が生活費を支給する身元保証人のいるグループと、日本政府が生活費を支給する身元保証人のいないグループに分かれています。多くの避難民が日本語を話せないため、就労には課題が残されています。

多くの国や自治体が、避難民への支援窓口を開設しています。民間企業も、雇用や物資の提供などで積極的に協力しています。

- ユリヤ・ジャブコ「在日ウクライナ人のコミュニティの形成の歴史と現状」『茨城キリスト教大学紀要　I,人文科学』第56巻, 茨城キリスト教大学, 2022年, 31-43頁

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