日本のうたごえ全国協議会

日本のうたごえ全国協議会の歴史とその変遷

概要

日本のうたごえ全国協議会は、1973年に設立された会員制の音楽団体で、音楽を通じた社会運動を展開しています。初代会長代行には藤本洋が就任しました。この団体は、戦後の日本における音楽活動の中心的な存在となり、様々な社会問題に関連した音楽活動を行っています。

設立の背景

1973年5月、日本のうたごえ運動の中心的な存在であった関鑑子が死去しました。彼の死去に伴い、既存の実行委員会が解体され、新たに「全国協議会」として再編成されることが提案された。新しい体制は、個々の音楽団体が自律的に活動できるように設計されており、これにより運動の地方分権化が進みました。

改組の決議

改組に関する提案は、同年8月に開催された総会で承認され、新たな規約が制定されました。この新しい規約は、活動スタイルを変更し、「協議会」としての役割を強調しつつ、個々の団体やサークルの自主性を尊重する方向へのシフトを示しています。

新方針の策定

1974年には、全国協議会の新方針が採択されました。この方針では、政治的指導からの独立を目指し、日本共産党による運営経路の依存から脱却することを目指しました。藤本洋は、「労働者階級」の意識を排除し、自主的な運営を行うことが新方針の重要な目的であるとし、その後の活動の変化を示唆しました。

規約の改正と反戦・平和主義

1975年には更なる規約の改正が行われ、明確に「労働者」や「階級闘争」といった表現が削除されました。これにより、反戦や平和に関するスタンスも変化し、政治的メッセージの表現が抑制されました。特に、創始者関鑑子の「うたごえは平和の力」という標語の解釈が変わり、戦争を肯定する表現を許容するようになりました。

近年の活動と方針の変遷

2012年には、毎年恒例となっていた「日本のうたごえ祭典」が中止され、代替として全国交流会が実施されました。この変更は、組織内での政治的力の再編成と関連しており、近年の方針は徐々に明確化されていきました。

特に、近年の総会では、日本のうたごえ全国協議会が日本共産党から独立した存在であることが強調されています。また、安倍政権に対する姿勢も、徐々に具体的な対抗を唱える形へとシフトしていきました。

加盟組織と今後の展望

全国協議会には、多くの地方別協議会や産別協議会が加盟しており、各団体は独自の音楽活動を展開しています。これらの組織との連携を深めつつ、全国協議会は今後の政治的・社会的課題に対して、音楽を用いた運動を通じてアプローチし続けることが期待されます。

結論

日本のうたごえ全国協議会は、設立以来40年以上にわたって日本社会に影響を与え続けています。運動の変遷を振り返ると、政治的独立性や自主運営の重要性が繰り返し強調されてきたことがわかります。今後もこの運動がどのように展開されるのか注目されます。

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