日本の車両基地一覧

日本の車両基地

日本の鉄道網の円滑な運行を支える上で、車両基地は欠かせない存在です。車両基地は、鉄道車両の安全かつ安定した運用を維持するための重要な拠点であり、日々の運用における留置に加え、車両の性能を保つための様々な検査、整備、修繕、清掃といった機能を担っています。基地によっては、車両の解体や製造といった大規模な作業を行う工場機能を併せ持っている場合もあります。

本稿では、日本国内に所在する多様な鉄道事業者の車両基地を網羅的にリストアップし、その概要を紹介します。対象となるのは、旅客輸送や貨物輸送を行う主要な鉄道事業者およびその関連会社が運営する車両基地です。

分類と掲載範囲

掲載されている車両基地は、その運営主体である鉄道事業者の種類に基づき、以下の主要なカテゴリーに分類されています。

JRグループ各社（北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州の各旅客鉄道会社および日本貨物鉄道）
大手私鉄
公営鉄道（各都市の地下鉄や路面電車など）
準大手・地方私鉄
第三セクター鉄道
貨物専業鉄道（一部準大手・地方私鉄に含めて記載）

これらの分類のもと、各事業者について、原則として2023年（令和5年）4月1日現在で稼働している車両基地が列挙されています。さらに、鉄道網の歴史や変遷を理解するため、過去に存在したが統廃合や移転などにより閉鎖・廃止された基地、さらには将来的な開設が計画されている基地についても可能な範囲で含めています。

ただし、本稿では、自社で車両を保有・管理せず、他の事業者に車両の管理や運行を全面的に委託している第三種鉄道事業者などのケース、あるいは構造や機能が特殊なケーブルカー（鋼索鉄道）の施設については、一般的な車両基地の範疇から外れるため、掲載の対象外としています。

記載情報と表記の慣例

各車両基地の項目には、その名称、およびおおよその所在地（都道府県、市区町村、近接する駅など）が基本情報として記載されています。加えて、事業者や基地の性質に応じて、以下のような補足情報や特別な表記が用いられています。

車両配置: 特にJRの項目では、実際に車両が配置されている基地名が太字で強調されています。
電略号: JRに所属する基地の一部には、車両に記される電報略号が併記されています。
旧名称: 基地の名称が変更された場合、その直前の名称を記載していますが、JRにおいては1987年4月以降の特定の条件を満たす変更に限定されるなど、事業者によって記載の基準が異なります。また、名称変更のみの場合や、工場・検車区の統合など、特定のケースでは旧名称が省略される場合もあります。
閉鎖・廃止基地: 現在は運用されていない基地については、名称の識別のために冒頭に「★」の記号が付されています。これらの廃止基地は、原則として同じ事業者の現存基地リストの末尾にまとめて掲載されており、これは事業者の歴史的な変遷を示す上で役立ちます。
* 派出所・支所・電留線: 主要な車両基地の機能の一部を担う派出所や支所、あるいは車両の留置のみを行う電留線なども、必要に応じて記載されています。

本稿に掲載されている車両基地に関する情報は、原則として2023年4月1日時点のデータに基づいております。その後の組織変更や施設の改廃などにより、情報が現状と異なる場合があることをご承知おきください。より詳細な情報や最新の状況については、各鉄道事業者の公式発表や専門的な資料を参照されることをお勧めします。

本稿を通じて、日本の鉄道網を支える多様な車両基地の存在とその役割について理解を深めていただければ幸いです。

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