日本アロマコーディネーター協会

日本アロマコーディネーター協会（JAA）

日本アロマコーディネーター協会（JAA）は、アロマセラピーをはじめとする癒し分野の民間資格を認定し、その普及を目指す任意団体です。アロマセラピーで用いられる精油は非常に高濃度で多様な成分を含むため、使用方法を誤ると期待される効果が得られないばかりか、予期せぬ事故につながる可能性もあります。JAAは、こうした精油を安全かつ適切に活用するための知識と技術を広く社会に普及させることを主要な目的として設立されました。

概要と活動内容

JAAの活動は多岐にわたります。代表的なライセンスである「アロマコーディネーター」をはじめ、多様なニーズに応える各種ライセンス認定試験を実施しています。また、専門分野別の検定試験も提供しています。これらの資格取得を目指す人材の育成や、取得後の活動支援、各種セミナーの開催も行っています。全国に展開する加盟校の認定と指導も重要な役割です。さらに、会報誌や書籍の発行、講師派遣、メディアへの情報提供などを通じて、アロマセラピーに関する正確な知識の発信と普及に貢献しています。現在の会員数は約40,000名に上り、所在地は東京都豊島区南池袋です。

沿革

JAAは1995年に東京都新宿区で設立されました。翌1996年には、アロマコーディネーター認定加盟校制度とアロマコーディネーターライセンス認定試験を開始しました。その後、アロマハンドリラックス（1999年）、インストラクター（2000年）、チャイルドケア（2004年）、アロマフェイシャルリラックス（2004年）、いやしのカウンセラー（2008年）、介護アロマコーディネーター（2012年）など、主要な認定ライセンスを順次スタートさせています。検定試験についても、アーユルヴェーダ（2007年）、セラピストマナー（2010年）、ペットアロマケア（2011年）、ジャパニーズアロマ（2014年）、スキンケア（2014年）といった多様な分野で開始しています。所在地は2000年に東京都渋谷区神宮前、2011年には現在の東京都豊島区南池袋へ移転しています。2012年からは、毎年恒例の感謝祭「いやしの祭典」を開催しています。

特徴と教育体制

JAAの活動の根幹には、精油の安全な使用に関する専門教育があります。このため、JAAは協会指定校、認定加盟校、法人加盟校といった教育機関の全国ネットワークを構築しています。これらの認定スクールでは、JAAが定めた標準カリキュラムが提供されています。JAAの会員として認められるためには、必ずこれらの認定スクールでカリキュラムを修了し、JAAが実施する認定試験に合格した後、会員登録の手続きを行う必要があります。この厳格なプロセスを通じて、アロマセラピーに関する一定水準以上の知識と技術を持つ専門家の育成を図っています。2014年時点では、協会指定校が1校、認定加盟校が約1,000校、法人加盟校が54校存在していました。

提供される主な資格と検定

JAAでは、アロマセラピーおよび関連分野の専門知識・技術を証明する多様な資格を提供しています。

認定ライセンス

アロマコーディネーター: アロマセラピーの基礎知識を習得し、安全に日常生活で活用できる、JAAで最も基本的な多用途ライセンスです。2004年に商標登録済みです。
インストラクター: アロマコーディネーターの上位に位置し、アロマセラピー全般の啓蒙活動を行う能力を証明するライセンスです。JAAの加盟校を開設する際に必須となります。
アロマハンドリラックス: JAAが独自に開発した全身オイルトリートメント技術で、日本人の体質や環境に合わせて考案されています。
アロマフェイシャルリラックス: フェイシャルトリートメントに反射療法を取り入れ、心身全体の美しさ（ホリスティックビューティ）を目指す、JAA独自のテクニックです。
チャイルドケア･コーディネーター / チャイルドケア･インストラクター: 親子や家族、社会環境といった広い視点から、子育てを通じた健やかな生活提案に関する学習システムとそのライセンスです。インストラクターは、チャイルドケアの啓蒙活動向けの上位資格です。
いやしのカウンセラー: セラピストとして必要なコミュニケーション能力や、顧客のニーズを把握し、最適な癒しを提供するための知識・技術を証明するライセンスです。
介護アロマコーディネーター: 高齢者介護の現場でアロマセラピーを効果的に活用するための専門テクニックに関する資格です。

各種検定試験

アーユルヴェーディック･アロマセラピー検定: インドの伝統医学アーユルヴェーダとアロマセラピー精油知識を組み合わせた内容に関する検定です。
セラピストマナー検定: サロンなどでの接客マナーや顧客心理に関する知識を問う検定です。
ペットアロマケア検定: ペットへのアロマセラピーケア方法や関連知識を評価する検定です。
ジャパニーズアロマ検定: 日本産の精油や日本独自のアロマセラピー知識に関する検定です。
スキンケア検定: 多様なスキントラブルとそのケア方法に関する知識を評価する検定です。

資格の性質に関する注意点

JAAが認定する資格は、アロマセラピー分野における知識・技術を証明する民間資格です。これらの民間資格は、美容師法で定められた、人の肌に直接触れるフェイシャルやスキンケアなどの施術を行うために必要な国家資格（美容師免許など）とは異なります。実際、これらの特定の施術を行うには美容師免許が別途必要となります。また、一般的に、これらの民間資格を取得したこと自体が、特定の職業への就職活動において必ずしも有利に働くとは限りません。資格取得を検討される際は、その資格でできることの範囲と、目指す活動に必要な法的要件（国家資格の有無など）を十分に確認し、理解することが重要です。

JAAは、安全で効果的なアロマセラピーの普及に努め、関連分野における専門家の育成を通じて社会に貢献することを目指しています。

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