日本オペレーションズ・リサーチ学会

公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会について

公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会（Operations Research Society of Japan, ORSJ）は、オペレーションズ・リサーチ（OR）に関する研究と応用を推進する日本の学術団体です。ORは、意思決定や問題解決を数理的な手法を用いて行う学問分野であり、産業界をはじめ様々な分野で活用されています。ORSJは、このORの発展に寄与することを目的に設立されました。

学会の目的と活動

ORSJは、「オペレーションズ・リサーチの研究および応用を促進し、オペレーションズ・リサーチの進歩と発展を通じて、文化と産業の発展に寄与する」ことを目的としています。そのために、以下の活動を行っています。

機関誌の発行: 月刊誌『オペレーションズ・リサーチ』および論文誌『Journal of the Operations Research Society of Japan』を発行し、ORに関する最新の研究成果や情報を発信しています。
学術書の監修・編集: OR分野の学術書シリーズや辞事典の監修・編集を行い、ORに関する知識の普及に努めています。
研究発表会の開催: ORに関する研究発表会を開催し、研究者間の交流を促進しています。
関連学協会との連携: 経営工学関連学会協議会を組織し、研究発表会の共催や技術者教育プログラムの審査業務などを通じて、関連分野との連携を強化しています。

学会の沿革

ORSJの設立は、1950年代に欧米でOR関連の学会が相次いで設立されたことに影響を受けています。日本においては、1955年に経営科学協会が設立された後、1957年に日本オペレーションズ・リサーチ学会が設立されました。以下に主な沿革をまとめます。

1955年: 大阪大学の目崎憲司を代表理事とする研究組織、経営科学協会が設立（関西を拠点）。
1957年: 経営科学協会を母体として、日本オペレーションズ・リサーチ学会が設立。初代会長には久留島秀三郎が就任。
1961年: 各国のOR関連学協会の連合組織であるIFORSに加盟。
1972年: 社団法人として設立。
2012年: 公益財団法人化。

設立当初、学会の事務所は複数の場所を間借りしていましたが、1969年に独自の事務所を構え、その後、社団法人化、公益財団法人化に伴い移転を重ね、現在は千代田区岩本町に事務所を置いています。

会長について

設立当初は会長の任期は1年や3年など様々でしたが、社団法人化以降は2年任期となりました。また、第12代以降は、研究だけでなく、産業界でのORの活用を重視する方針から、企業経営者と学術関係者が交互に会長を務める慣例となっています。

ORの社会的な注目

2009年には、学会フェローであった鳩山由紀夫が内閣総理大臣に就任したことがきっかけで、政治と数学を結びつける学問分野として、ORが社会的に注目を集めました。

その他の情報

ORSJは、学術研究の推進だけでなく、社会への貢献も重視しています。ORの普及活動や、産学連携を通じた問題解決への貢献も行っています。関連分野との連携も積極的に行っており、経営工学、品質管理、信頼性、イノベーション、設備管理、経営情報、プロジェクトマネジメントなど幅広い分野との交流があります。

参考文献

日本オペレーションズ・リサーチ学会 編『OR用語辞典』日科技連出版社、2000年。
日本オペレーションズ・リサーチ学会 編『OR事典2000』2000年。
若林信夫「オペレーションズ・リサーチの成長と今後の課題」『商学討究』1998年。
内村直之「戦後初の「理系脳」、専門は問題解決学　「数学家首相」誕生　総選挙」『AERA』2009年9月7日。
「（もっと知りたい！）理系新首相、人生の方程式　結婚も趣味も数学決め手」『朝日新聞朝刊』2009年9月11日。
中川慶一郎; 樫尾博; 野々部宏司「OR学会における研究普及の取組み」『オペレーションズ・リサーチ』第61巻、第3号、2016年。

関連項目

オペレーションズ・リサーチ
マネジメント・サイエンス - 経営科学
ORWiki
経営工学関連学会協議会
日本経営工学会
日本品質管理学会
日本信頼性学会
研究・イノベーション学会
日本設備管理学会
経営情報学会
プロジェクトマネジメント学会

外部リンク

* 公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会

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