日本ムスリム協会

日本ムスリム協会について

日本ムスリム協会（Japan Muslim Association, JMA）は、1952年に設立された日本初のムスリム信徒団体です。この団体は、少数派のムスリムが日本の社会と融合しながら、イスラームの教義を実践するための道を探究することを目的としています。1968年には宗教法人として正式に認可され、以後、日本におけるムスリムの地位向上や社会貢献に向けた幅広い活動を展開してきました。

歴史的背景

日本ムスリム協会の前身は、1952年にアジア各国で情報収集を行っていた47名の日本人ムスリムや学者によって結成された「イスラーム友の会」です。1953年には現在の名称に変更され、1957年からはエジプトのアズハル大学などでの留学支援を開始。1959年には機関紙『イスラームの声』を創刊し、ムスリム社会への情報提供を行いました。

1968年の宗教法人認可時の会員数は約60名であり、その後、ムスリム留学生を中心に「ムスリム学生協会」や学術団体「日本イスラーム協会」が結成されるなど、団体の活動は広がっていきました。

重要な活動

協会は、近年も様々なイベントやプロジェクトに参加しています。例えば、2009年には在日クウェート大使館のイフタールに招待され、クウェートからの支援に感謝の意を表しました。また、2018年にはトルコの国際協力調整庁が主催したイフタールに参加し、日本とイスラーム諸国とのつながりを強化しています。さらに、2015年にはISIL関連報道に対する呼びかけに他のイスラーム組織と共に取り組み、2020年のCOVID-19パンデミック中には、オンライン教室を開設することでムスリムコミュニティの連携を図りました。

出版物と霊園運営

日本ムスリム協会は、クルアーンやタフスィールをはじめとする書籍を出版しており、送料負担で公式サイトを通じて購入が可能です。また、1963年には山梨県に日本初のムスリム専用霊園を設立し、2000年には埋葬区画の増設を行っています。この霊園は当初「世界各国のムスリムのための霊園」として開設されましたが、現在は「日本人ムスリムのための霊園」と名を改めて運営されています。

ハラール認証

協会は、マレーシアやインドネシア、シンガポールのハラール認証機関から認証を受けており、特にインドネシアのウラマー評議会による認証は、日本国内で唯一のものです。地元のハラール認証機関とも連携を深めたいと考えています。

歴代会長

協会の発展には、多くの会長の貢献があります。初代会長のサディーク・今泉義雄から始まり、2021年現在の会長であるヤヒヤ・遠藤利夫に至るまで、さまざまなリーダーたちが協会を牽引してきました。これにより、日本におけるムスリムの社会的活動やコミュニティの形成が進んできたのです。

未来への展望

日本ムスリム協会は、今後もムスリムが日本社会において持続可能な生活を送れるような環境を整え、またイスラームの教義を正しく伝えるための活動を続けていきます。2024年には、キング・ファイサル国際賞のイスラーム奉仕部門を受賞予定であり、その評価は今後の活動にも大きな影響を与えることでしょう。以上のように、日本ムスリム協会は、日本国内におけるムスリム社会の発展に向けた重要な役割を果たしています。

もう一度検索