日本メンデル協会

公益社団法人日本メンデル協会について

公益社団法人日本メンデル協会（Japan Mendel Society, JMS）は、日本における生物科学領域の重要な学会です。日本メンデル協会は、遺伝学の普及と振興を図り、遺伝学の父とされるグレゴール・メンデル（Gregor Johann Mendel, 1822-1884）の業績を称賛しています。本協会は、細胞遺伝学および細胞生物学への理解を促進し、社会の科学リテラシーを向上させることを目指しています。

設立の背景

1984年12月10日、当時の国際基督教大学学長であり東京大学名誉教授の篠遠喜人（1895-1989）の発起人として設立されました。初代会長には篠遠が就任し、その後田中信徳や飯野徹雄を始めとする多くの優れた学者が会長職を務めました。設立当初は任意団体としてスタートし、1985年に一般社団法人へと移行。その後、2013年には長田敏行会長の下、公益社団法人として認定され、現在に至っています。

特筆すべき事業の一つとして、1990年には国際細胞学会から学術雑誌「CYTOLOGIA（キトロギア）」の発行権を譲り受け、以来、この雑誌は本協会がその発行母体となっています。CYTOLOGIAは細胞生物学や遺伝学に関連する論文を収載し、年4回の頻度で発行されています。

主な活動内容

日本メンデル協会は、以下のような多岐にわたる活動を通じて、遺伝学の普及と振興に寄与しています：

1. 英文科学専門誌 CYTOLOGIAの発行
1929年に創刊されたこの雑誌は、細胞生物学・遺伝学の研究成果を紹介する重要な国際的刊行物です。

2. 和田賞の授与
和田賞は、CYTOLOGIAに掲載された優れた研究論文を表彰するもので、和田薫幸会からの財政的支援を受けています。

3. CYTOLOGIA奨励賞の設立
この賞は、優れた研究を推進している若手研究者に与えられます。

4. メンデル講演会の開催
この講演会は、一般市民がメンデルや遺伝学の研究を理解し、楽しむためのサイエンスコミュニケーション活動です。2003年から毎年行われており、特に2016年と2022年にはメンデルに関連する特別展も開催されました。

5. 受賞講演会やメンデル協会大会の開催
受賞者の講演会は一般にも公開され、サイエンスコミュニケーションの一環となります。また、メンデル協会大会は会員同士の研究情報交換や交流を目的とした重要な場です。

おわりに

日本メンデル協会は、遺伝学と細胞生物学の発展に大きく寄与し続けています。市民に対する教育と研究の成果を広める役割を果たしており、今後もさらなる発展が期待されます。

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