日本ユースホステル協会

一般財団法人日本ユースホステル協会（にほんユースホステルきょうかい、英: Japan Youth Hostels, Inc.）は、若者を中心とした旅行者のための宿泊施設「ユースホステル」の普及と運営を担う中心的な団体です。

沿革と組織

本協会は、1951年10月26日に設立されました。その後、1954年8月には国際的な組織である国際ユースホステル連盟（IYHF）への加盟を果たし、国際的なネットワークの一員となりました。国内組織としては、1956年7月9日に財団法人としての認可を受け、2013年には一般財団法人へと移行しています。かつては文部科学省のスポーツ青少年局スポーツ振興課が主な監督官庁でした。

主な事業内容

日本ユースホステル協会は、多岐にわたる活動を通じてユースホステル運動を推進しています。その活動は、ユースホステル施設の設置や運営の支援に始まり、旅の魅力的なコースを選定・提案すること、ユースホステルを活用した様々な旅行や交流プログラムを企画・実施すること、そして運動を支える指導者の養成にも力を入れています。また、国際ユースホステル連盟をはじめとする海外の関連団体との連携を深め、国際交流の促進を図っています。その他にも、機関紙やパンフレットを発行して情報提供を行い、ユースホステリングに必要な用具の研究や改良、その斡旋なども行っています。

日本のユースホステル

日本のユースホステルは、本協会が直営する施設のほか、様々な形態で運営されています。個人の住宅や既存の旅館、社寺の宿坊の一部を利用するもの、民間の個人や法人が協会の建設基準に基づいて運営するもの、さらには国庫補助を受けて地方公共団体が建設し、運営主体が都道府県市町村、公社、指定管理者など多様な施設も存在します。施設の建設にあたっては、公益財団法人JKA（旧日本自転車振興会）や車両記念財団からの補助金、年金積立金管理運用独立行政法人（旧年金福祉事業団）からの融資などが活用された例も見られます。

宿泊のシステムと料金

ユースホステルの基本的な宿泊スタイルは、他の旅行者との相部屋を前提としたドミトリー形式が主流です。宿泊料金は施設によって異なりますが、一般的に3,000円前後で利用できる施設が多く見られます。一方で、ユースゲストハウスと呼ばれる施設もあり、これらは個室利用が基本で、室内にトイレや洗面所を備えているなど設備が整っていますが、一泊二食付きで5,000円から6,500円程度と、ドミトリーに比べて料金は高めに設定されています。2022年末時点では、日本国内には138のユースホステルが活動しています（公営で休館中の施設や広報対象外の施設は除く）。

地域における活動：支部協会

日本ユースホステル協会は、全国各地に支部協会が存在し、それぞれの地域でユースホステル運動を支えてきました。多くの支部が1950年代から1960年代にかけて設立されており、地域に根ざした活動を展開していました。設立形態は任意団体のほか、一般財団法人や公益財団法人、特定非営利活動法人（NPO法人）として運営される支部もあり、その組織形態は多様です。歴史の中で役割を終え、解散したり活動を休止したりした支部も少なくありませんが、現在も各地の支部が地域におけるユースホステルの振興に貢献しています。

このように、日本ユースホステル協会は、多角的な活動を通じて、日本のユースホステルネットワークの維持・発展に重要な役割を果たしています。

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