日本レスキュー協会

特定非営利活動法人日本レスキュー協会は、1995年（平成7年）9月1日、兵庫県南部を襲った阪神・淡路大震災の発生を重要な契機として発足しました。この組織は、内閣府によって認証された認定NPO法人として、災害対応や動物福祉の分野で多角的な社会貢献活動を展開しています。本部は兵庫県伊丹市に置かれ、設立以来、国内外の災害現場や地域社会において重要な役割を担ってきました。

協会の活動は大きく分けて三つの柱から成り立っています。

第一に、災害救助犬（レスキュードッグ）の育成と派遣です。地震や台風といった自然災害が発生した際、倒壊した建物や土砂の中から行方不明者を発見する捜索活動において、犬の優れた嗅覚と機動性は不可欠な能力となります。日本レスキュー協会では、高度な訓練を積んだ災害救助犬とそのハンドラーを育成し、国内外の被災地へ派遣することで、人命救助に貢献しています。彼らは過酷な環境下でも冷静かつ迅速に活動できるよう、日々の訓練を重ねています。

第二の柱は、セラピードッグの育成と派遣です。セラピードッグは、高齢者施設、病院、学校、障がい者施設などを訪問し、動物との触れ合いを通じて人々に心の安らぎや活力を提供します。高齢者のQOL向上、患者さんの精神的なサポート、子どもたちの情操教育など、その活動は多岐にわたります。協会のセラピードッグたちは、特別な訓練を受け、穏やかで友好的な性格を持つ犬たちが選ばれています。ハンドラーと共に訪問先の人々と交流することで、癒やしと笑顔を届けています。

第三の柱は、犬の保護・愛護活動および里親譲渡です。様々な事情で飼い主を失ったり、行き場をなくしたりした犬たちを保護し、適切なケアを提供しています。健康管理、栄養管理、基本的なしつけなどを通じて、犬たちが心身ともに健康を取り戻せるよう努めています。そして、新たな家族との出会いを支援するため、里親希望者とのマッチングを行い、譲渡会を開催するなど、積極的な譲渡活動を展開しています。殺処分ゼロを目指し、全ての犬に温かい家庭が与えられるよう、啓発活動も合わせて行っています。

これらの活動に加え、協会は地域社会との連携も重視しています。2018年（平成30年）6月1日には、佐賀県が進めるCSO（市民社会組織）誘致施策の第7号として、佐賀県内に新たな拠点を設けました。これにより、九州地方における災害発生時の迅速な対応や、地域でのセラピードッグ活動、保護犬の支援などが強化され、活動範囲が広がっています。

特定非営利活動法人日本レスキュー協会は、設立の原点である阪神・淡路大震災の教訓を活かし、犬という存在を通じて、災害支援、福祉、動物愛護といった様々な社会課題の解決に貢献し続けています。認定NPO法人として、高い公益性を持って透明性の高い活動を展開し、人と動物が共生できるより良い社会の実現を目指しています。

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