日本・インドネシア経済連携協定

日本・インドネシア経済連携協定

日本・インドネシア経済連携協定（EPA）は、2008年に日本とインドネシアの間で結ばれた重要な経済的枠組みです。この協定は、両国の貿易や投資を促進し、経済関係を強化することを目的としています。法的には、日本国内で国会の承認を得た条約として位置付けられ、「経済上の連携に関する日本国とインドネシア共和国との間の協定」として知られています。

署名・発効までの経緯

最初の提案は2002年1月に小泉純一郎首相がASEAN諸国を訪問した際に行い、日・ASEAN包括的経済連携構想として具現化されました。その後、2002年6月には日・インドネシア首脳会議で二国間の経済連携協定の可能性を探るように実務者に指示されました。以降、2003年から2005年にかけて、多くの予備協議と共同検討グループ会合が行われ、協定交渉の準備が整えられました。

2005年6月、小泉首相とインドネシアのユドヨノ大統領は、日本・インドネシア間の経済連携協定交渉の開始を公式に発表し、7月には交渉が始まりました。交渉は東京とジャカルタで数回にわたり行われ、2007年には主要な論点について両国間で合意が形成されました。最終的に、2007年8月に署名され、2008年に国会の承認を得て発効を迎えました。

協定の内容

この経済連携協定では、日本の農林水産品に関して多くの関税が引き下げられ、熱帯果実やエビ製品についても特定の関税割当が設けられました。また、自動車に関しては、3000ccを超える乗用車や多くの完成車部分についても関税撤廃が行われます。

特に注目すべきは、日本が自動車部品などの関税を大幅に削減した点で、これにより両国の商業的な流れは加速することが期待されています。

2023年の改正議定書

2023年12月、日・インドネシア経済連携協定に関する改正議定書が大筋合意に達しました。この改正では、インドネシアからの自動車や鉄鋼製品の関税が撤廃される一方、日本側でも多くの農水産品の関税引き下げが進められることが示されています。また、電子商取引の強化や知的財産に関する規定の見直しが行われることも含まれています。2024年8月には、外務大臣と商業大臣の間でこの改正議定書が署名され、正式に手続きが進められることとなりました。

日本とインドネシアの経済連携協定は、両国の経済的利益を土台に、さらなる発展を期待させる重要な枠組みと言えるでしょう。この協定がもたらす相互の経済効果は、国際競争力を高める一助となるでしょう。

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