日本・ペルー経済連携協定

日本・ペルー経済連携協定

日本・ペルー経済連携協定（EPA）は、2012年に発効した重要な経済協定です。これは、国際間の貿易や投資を促進し、経済的な連携を深めることを目的としています。日本政府の正式名称は「経済上の連携に関する日本国とペルー共和国との間の協定」であり、法律上は条約に位置づけられています。

協定締結に至る経緯

2008年11月、麻生首相とペルーのガルシア大統領との首脳会談で、日・ペルーEPA締結交渉が始まることが合意されました。この合意を受け、両国は準備会合を設け、早期に交渉を開始するための基本的立場を確認しました。具体的には、2009年5月にはリマで第1回の交渉会合が開かれ、その後も数回にわたり会合が続けられました。

交渉は数年にわたり行われ、2011年11月に横浜で開催されたAPEC首脳会議では、最終的な共同声明が発表されるなどして交渉が完了しました。翌年の5月には正式に協定に署名され、同年11月には日本の国会承認を得て発効に至りました。

協定の主要内容

日・ペルー経済連携協定の特徴は、両国が相対的に優位な分野で市場を開放し合うことです。日本は鉱工業品に関して、ほぼすべての品目の即時関税撤廃を行い、具体的には自動車や部品、電子製品に関してもこの措置が適用されます。特に、自動車産業は日本経済において非常に重要な位置を占めているため、この分野での貿易自由化は双方にとって重要な意味を持っています。

また、農林水産物では日本の豚肉や鶏肉、アスパラガス、とうもろこしなどの輸入が容易になる一方で、ペルー側は日本からの果物や緑茶、清酒等に対するアクセスが改善されます。このように両国は基本的に互いに実利のある商品の貿易を拡大することで、経済の活性化を図ることを目指しています。

貿易の影響

日・ペルー経済連携協定の発効以降、両国間の貿易は徐々に増加傾向にあると言われています。日本側からはペルーに対して、技術や商品の供給、またペルーからは生鮮食品や資源などの安定した供給が期待されています。これにより、両国の経済の相互依存が深まり、持続可能な経済成長を推進するための基盤が整いつつあるのです。

まとめ

日本とペルーの経済連携協定は、単なる貿易協定にとどまらず、人材交流や技術提携など、多岐にわたる経済活動を涵養するものです。国際的な競争力を高めるためには、このような協定の有効活用が重要です。今後の進展にも注目です。

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