日本一の芋煮会フェスティバル

日本一の芋煮会フェスティバル

毎年9月、山形市の馬見ヶ崎川河川敷で開催される「日本一の芋煮会フェスティバル」。秋の訪れを告げるこのイベントは、巨大な鍋で調理される芋煮が名物です。

圧倒的なスケールで調理

会場では、左右の岸で異なる味の芋煮が作られます。左岸では、直径6mの「鍋太郎」と呼ばれる巨大なアルミ合金製大鍋で、約3万食分の山形風「牛肉しょうゆ味」芋煮が調理されます。右岸では、直径3mの大鍋で庄内風「豚肉みそ味」芋煮が約5千食分作られます。参加者は協賛金を支払い、チケットと芋煮を交換します。

調理には、大鍋に見合う大型重機（バックホー）や専用の大型調理器具が用いられます。特に、人の口に入る食品を調理するため、重機は新品を使用し、バケットも芋煮会専用のステンレス製のものを使用。油圧作動油や潤滑油にも食用油脂を使用するなど、衛生面には細心の注意が払われています。

このフェスティバルで使用された重機は、後に新古車として販売されることもありますが、「日本一の芋煮会」で使用されたというプレミアが付くこともあるそうです。

食材へのこだわり

フェスティバルを皮切りに山形県の芋煮シーズンが始まります。シーズン当初は、県外産や輸入物の里芋が使われることもありますが、フェスティバルで使用する里芋は、可能な限り県内産にこだわっています。現在では、砂糖を除くすべての食材が県内産を使用しています。

大鍋「鍋太郎」

フェスティバルで使用される大鍋は、一年中野外に設置されています。そのため、フェスティバルの開催前には、鍋を洗浄する作業が行われます。この鍋洗いの様子は、地元のニュースで季節の風物詩として報道されます。2017年まで使用されていた2代目鍋は老朽化のため引退し、2018年からは直径6.5mの「3代目鍋太郎」がお披露目されました。

歴史

1989年に始まったこのフェスティバルは、当初毎年9月の第1日曜日に開催されていました。しかし、2014年からは、里芋の生育状況や残暑の厳しさを考慮し、敬老の日の前日の日曜日に開催日が変更されています。

2008年の20周年記念フェスティバルでは、5万食の芋煮が作られ、来場者数は15万人に達しました。翌2009年には、主催者の予想を上回る20万人が来場し、芋煮が不足するという事態も発生しました。一方、2010年は猛暑の影響で来場者が伸び悩み、用意した芋煮が余ってしまうという年もありました。

30周年にあたる2018年には、「3代目鍋太郎」で3万食の芋煮が調理されました。また、「8時間以内で提供されるスープの数」のギネス世界記録に挑戦し、4時間半で1万2695食を提供し、見事ギネス記録を達成しました。しかし、整理券を購入した人全員に芋煮が行き渡らず、一部の人に返金するという事態も発生しました。

2020年と2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大により中止となりましたが、2022年には感染対策を徹底した上で3年ぶりに開催されました。2023年には、4年ぶりに通常開催されています。

日本一の芋煮会フェスティバル公式サイト
山形県公式観光サイト

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