日本共産党第20回大会

日本共産党第20回大会の概要

1994年7月19日から23日まで、静岡県熱海市の伊豆学習会館にて、日本共産党の第20回大会が開催されました。この大会では、党の基本的な綱領や規約の大幅な改訂が行われ、特に綱領は全体が書き換えられ、7つの章に整理されました。

規約の改正

イデオロギーの見直し

規約の前文は、従来の極めてイデオロギー色の強い表現を見直すことが求められました。特に、「日本共産党は日本の労働者階級の前衛部隊である」という表現は、「前衛政党である」と書き換えられました。これにより、従来の規約で使われていた「前衛部隊」は、1948年の第7回大会から続いていたものでしたが、武装闘争の可能性を連想させ、国民からの支持を失う危険性が指摘されました。日本共産党は、議会制民主主義のもと、平和的な革命を目指し、自らの立場を労働者階級の最も先進的な組織として定義することにしました。

企業・団体献金の禁止

党の資金調達の方式についても大きな変更がありました。規約において「党費、党の事業収入および党への個人の寄付」によって賄うことが明文化されました。これにより、企業や団体からの献金を禁止し、個人からの寄付のみに制限しました。ただし、大企業の経営者が個人の立場で寄付を行うことは許されていました。

11条党員の整理

また、党費を支払わず、活動に参加していない『11条該当党員』を整理するための手続きが見直されました。従来は、党活動に参加しなくなった後1年経過した段階で、本人との協議に基づいて除籍措置が取られていましたが、新しい定義では、まず離党手続きを取ることが求められるようになりました。ただし、本人が手続きを拒否したり協議に参加しない場合には、従来の除籍措置が適用される余地も残りました。

党費の減免基準

党費の免除に関する基準も明確化され、特定の条件を満たす党員については、党費が全額免除されることが規約に明記されました。失業中の党員、老齢または病気で扶養を受ける党員、生活困窮者に対して、党費の免除や軽減が実施されることとなり、より柔軟で配慮の行き届いた制度が構築されました。

中央委員会の選出

この大会では新たな中央委員も選出され、議長には宮本顕治氏、幹部会委員長には不破哲三氏、中央委員会書記局長には志位和夫氏が選ばれました。これにより、党の方針が一層明確になり、今後の活動へ向けた基盤が整えられました。

大会での決定は、党の方向性を示す重要な節目となり、未来への新たな展望を開く役割を果たしました。

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