日本写真協会

公益社団法人日本写真協会：日本の写真文化を支える団体

1952年、国際親善と文化発展への貢献を目的として設立された公益社団法人日本写真協会は、日本の写真界において中心的役割を果たす団体です。外務省の認可を得て設立された歴史を持ち、公益法人制度改革を経て、現在に至ります。

写真家だけではない、多様な会員と活動

写真家や写真評論家を中心とした団体とは異なり、日本写真協会は企業など幅広い団体を賛助会員として受け入れています。写真材料の商社や現像所、フォトギャラリー、写真学校などが会員に名を連ね、写真映像・印刷関係メーカーや販売会社の経営者、大学関係者、美術館館長などが役員を務めるなど、多様な人材が組織を支えています。

写真界への貢献：日本写真協会賞

協会の活動の中で最も知られているのは、日本の写真界や写真文化に顕著な功績を残した個人や団体に贈られる「日本写真協会賞」でしょう。1952年から続く歴史ある賞であり、写真界における権威ある賞として広く認知されています。

功労賞、作家賞、新人賞、国際賞など複数の賞が設けられており、受賞者には田沼武能、土田ヒロミ、東松照明、篠山紀信、土門拳といった、日本を代表する写真家の名前が並びます。また、写真集の出版で貢献した出版社も受賞対象となっており、日本の写真文化全体を対象とした賞であることがわかります。毎年6月1日「写真の日」に開催される表彰式は、写真界にとって重要なイベントとなっています。

写真の楽しさを広める：東京写真月間

一般市民にも広く写真を楽しんでもらうための取り組みとして、「東京写真月間」が開催されています。1996年から毎年6月を中心に開催され、東京都写真美術館をはじめとする都内のギャラリーやフォトサロンが協力して、様々な写真展を開催しています。

展覧会は国内作家による作品展だけでなく、海外からの留学生の作品展やアジアの写真家による作品展なども企画されており、国際交流の側面も持ち合わせています。外務省所轄団体としての設立理念を体現した、幅広い参加者と企画が特徴です。 「女性写真家のまなざし」のようなテーマ性の強い企画や、「地域と写真文化」のような地域密着型の企画など、多角的な視点から写真文化の発展に貢献しています。

まとめ

公益社団法人日本写真協会は、写真家のみならず、写真に関わる様々な団体や企業が連携し、日本の写真文化の発展に貢献する組織です。日本写真協会賞や東京写真月間といった活動を通して、写真文化の振興と国際交流に大きな役割を果たしています。その活動は、日本の写真史に大きな影響を与え続け、今後も写真文化の未来を担う重要な存在であり続けるでしょう。

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