日本医療機能評価機構

日本医療機能評価機構について

公益財団法人日本医療機能評価機構（JCQHC）は、医療の質を評価し改善することを目的とした日本の専門機関です。1995年に設立され、それ以降、医療機関が提供するサービスの質を学術的視点から中立的に評価しています。特にこれまで日本には存在しなかった第三者機関による評価の重要性を認識し、設立を進めてきました。設立には長い年月がかかり、河北博文氏の尽力によって実現しました。

事業の概要

この機構は、次のような事業を運営しています：

1. 病院機能評価事業
2. 病院機能改善支援事業
3. 評価調査者（サーベイヤー）の養成
4. 調査・研究開発
5. 認定病院の患者安全推進
6. 産科医療補償制度
7. EBM医療情報提供
8. 医療事故情報の収集
9. 普及・啓発活動

これらの事業を通じて、質の高い医療サービスの提供を支援することを目指しています。運営には、厚生労働省や医師会、健康保険組合などから効率的に資金を募っています。

設立の経緯

日本医療機能評価機構の設立の背景には、アメリカやイギリス、オーストラリアにおける先進的な医療評価制度があります。日本では、1976年から病院機能評価の手法を模索し始め、1985年には日本医師会と厚生省が共同で研究会を設立しました。1995年には正式に機構が発足し、医療機関への評価が始まりました。

評価のメカニズム

病院機能評価は、様々な評価項目に基づいて行われており、具体的には「書面審査」と「訪問審査」の2つの方法を取り入れています。評価基準は、病院の機能の種類に応じて異なり、特に地域医療を支える役割を重視したものとなっています。これにより、各病院は自らの医療サービスの質を定期的に見直し、改善していくことが求められています。

審査と認定の実績

2018年度の時点で、全体の約26%にあたる2,180病院が評価を受けており、認定を継続している病院も多いですが、新たに審査を受ける病院が減少しているのが現状です。このことは、認定を受けることが必ずしも病院の収益に直結しないことが要因として考えられています。

医療事故に関する情報収集

「医療事故情報収集等事業」や「薬局ヒヤリ・ハット事例収集」などを通じて、医療現場での事故防止を目指しています。これにより、全体の安全性向上に寄与することが期待されています。

結論

日本医療機能評価機構は、質の高い医療サービスの提供を促進し、患者の安全を確保するために重要な役割を果たしています。今後も医療の質向上に向けた取り組みが期待されます。

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